第2話 最強ニート。そして転移

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


とある少年___佐藤 悠夢はの様にずらっと文字が書かれた一冊の冊子を見て発狂していた。


「せっっかく【上位種族ニート】の俺が勉強とやらをやってやろうと思ったのに、こんなの人間が読める文字じゃねーよ!」


そんな事を言いながら英語の教材を見ているのであった。

本人が言った通り、彼はある意味最強の【ニート】である。



「あー…無理。やぁーめたー。」


開いて三十秒もたたずして教材を閉じ、いつもの様にパソコンに向かい合う。

彼のブラインドタッチの速さで勝てるものはこの世に存在しないであろう。


「んー…やはりこの世界、俺には合わんな。異世界にでも飛ばされればなぁ、、ま、それで行けるならこの世界から転移希望者俺らみたいなやつとっくにいないか。………寝よ。」


そんな甘い事を思いながら目の前のパソコンを閉じようとした時だった。


『ピコン』


突然通知音がなる。


「……ん?なんだこれ。」


それは一通のメッセージであった。

引きこもりを極めた彼に届くメッセージは限られている。ゲームの最新情報か数少ないネッ友、まぁ大抵は迷惑メールなので無視するが。


何故だろう。とても気になる。彼は吸い込まれるようにそのメッセージを開けた。


_______________________________________________


差出人:二匹のかわいいうさちゃん


宛先:最強ニートくん


超かっこいい最強魔法繰り出したいかー!

超強い仲間たちと旅に出たいかー!

超かわいい女の子に囲まれてハーレム生活を送りたいかー!!!


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なんだこのよくあるファンタジーゲームの謳い文句の様な台詞は。

悠夢の磨き上げた変態妄想が発動してしまう。


異世界 美女 魔法 美女 異種族 美女 エルフ 美女


「………うん。やはりいいな、異世界」


そんな事を思いながら普段無視をするメッセージに返信するのであった。


_______________________________________________


差出人:史上最強ニート


宛先:セールスに向いてるうさ君たち


そんな世界があるなら俺は行きたいね。


_______________________________________________


迷わず送信ボタンを押す。





その瞬間



突然、悠夢のいる床に赤く光る魔方陣が無数浮かび上がる。いつしかそれは悠夢を囲うかの様に展開されていた。


「な、なんだこれ…!!!」


悠夢が何かを考える暇もなく次々とことは進む。


Metastasisマタステイシス!!』


どこからかまるでアニメの美キャラの様な声で詠唱が唱えられる。


そして悠夢の周りに展開された魔方陣は更に光り、包み混んで行く


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




この叫び声が、彼が地球に残した生涯最後の言葉である。

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