本作は仙台市は広瀬川に伝わる「橋姫伝説」をモチーフとして、二人の少女の移ろいゆく友情を描いた物語です。主人公は伝説にある人身御供の姫の生まれ変わりですが、徐々にもう一人の少女の秘密、そして意外な関係性が明らかとなってきます。短編作品のため長くはありませんが、どこか爽やかなようで哀しくもあり、切なさと微笑ましさも感じさせてくれる不思議な読後感があります。