第七章七節 開示
リラ工房へと戻ったシュランメルト達は、リラの部屋に集合し、預かった箱を開けようとしていた。
「依頼されていたものだ。開けるぞ」
「かしこまりましたわ。せーの……」
シュランメルトとフィーレが同時に、箱を開ける。
中には、オーリカルクミアの塊が眠っていた。
「これは……?」
「“オーリカルクミア”と呼ばれる金属ですわ」
リラがその名前を聞いた途端、驚愕する。
「これが、オーリカルクミア……!」
「知らなかったのか、リラ?」
「いえ、知識の上では……。しかし、こうして実物を見るのは初めてです」
「うわー、きれーい……!」
リラが、そしてグスタフが、オーリカルクミアの耀きに魅了されている。
しばし見つめていたが、リラは我に返ると、ぽつりと呟いた。
「……これは、『私の所へ預けてくれ』という依頼が出るわけですね。このリラ・ヴィスト・シュヴァルベ、間違いなく預かりました」
そしてリラは箱を閉じると、鍵をかける。
さらに念を入れて、大型の金庫に施錠して保管したのであった。
「では、昼食にしましょうか」
「賛成だな」
「わーい!」
リラの提案に、まずシュランメルトとパトリツィアが乗る。
「そろそろお腹が空いていた頃でしたから、助かりますわ」
「やったー、ししょーのご飯!」
そして、フィーレとグスタフも続いたのであった。
*
その夜。
いよいよ寝静まろうとする、リラ工房の面々。
「……ここか」
その敷地内に、謎の人物が訪れたのであった。
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