第七章三節 双闘
「覚悟しろ、“神殿騎士団”とやら!」
アナトールの
しかし
「その程度で、あたしとこいつは殺せないよ。フヒヒ」
「まだ手はある!」
接近し、回り込みを仕掛けるも、
「背中から突こうってのかい? 元気だねぇ……」
「何という反応の速さだ……!」
アナトールは
「だが、俺の役目は別にある……!」
そう自らに言い聞かせたアナトールは、何とダガーを
通常とは違う用途で用いられたそれは、何の問題も無く
「それでこいつの目は奪えないよ」
だが、
「いいや、これでお前の注意は
しかし、これこそがアナトールの真の狙いであった。
ガキィンと硬質な音が響き――
突き立てた
「何……ッ!?」
遅れて、何かがアナトールの体を貫いた。
「ゲボッ…………!」
「隙だらけだよ、フヒヒ」
「雑魚を一匹始末しただけか。割に合わないねえ、フヒヒ。…………ん?」
と、
その直後、
「まだ生きていたのかい。あたしも詰めが甘いねえ」
しかし光弾は
「団、長……。申し訳、ありま、せん……」
そこに
「しくじったね。あれは信号弾かい。まったく、こんな事なら指一本残さず吹き飛ばしちまえば良かったかねぇ……」
「ともあれ、まだ王国領内に
しかしすぐに意識を切り替えると、
*
一方、同時刻では、シュランメルト達もまた、多数の
「覚悟しろ、狼藉者よ!」
王室親衛隊の
襲ってきた8台の
王室親衛隊の、そしてシュランメルトのあまりの強さに、
その間にも
それを見た最後の1台が、大慌てで逃げ出した。
「最早逃げるだけとはな。それ以外の選択肢が無いのは当然だ。だが、容赦はしない」
しかしシュランメルトは
的確な射撃は、容赦なく
「跳躍はさせたが、前には出ていない。構わないな、フィーレ?」
「ええ。ともあれ、お疲れ様でした」
フィーレがシュランメルトを、王室親衛隊の隊員達をねぎらう。
しかしシュランメルトは、浮かない顔であった。
(妙だ……嫌な予感がする)
首を回し、
(どこかに、いるはずだ。どこだ、どこにいる……?)
シュランメルトは必死に、何かを探す。
「では、行きましょうか」
だが、それに気づかない王室親衛隊の隊員が、シュランメルトを促す。
その時、異変が起きた。
「待てッ……!」
シュランメルトが止めるも、既に遅し。
隠れていた1台の
「えっ……?」
王室親衛隊の隊員が、呆けたように呟く。
シュランメルトは「間に合え」と祈りながら、大剣を構え――
その時、空中から一条の、紫色の
「何だと!?」
シュランメルトが驚愕する。
しばし皆が驚愕していると、声が響いた。
「もうほとんど片付いてるしお節介かとも思ったんだけどねえ。やっぱり来て正解だったね、フヒヒッ」
アルトの
皆の耳の届いた後、別の音が響く。
「見つけたよ、御子様」
「誰だ、お前は!? 新手か!?」
シュランメルトが
「違うよ。あたしはね……いや、あたし達はね、“神殿騎士団”にいるのさ。そしてあたしの名前は、“
はすっぱではあるが、最低限必要な身分の公開はしている。
そしてノートレイアは、
「そしてあたしの相棒の名前は、
ノートレイアは、何の悪意も無い声でシュランメルト達に告げる。
と、突如としてパトリツィアが人間になった。
「ノートレイア! ノートレイアじゃないか!」
パトリツィアは嬉しそうに、しかし若干ぷりぷりしながら、名前を呼んでいたのであった。
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