第21話【怖い話】初めての彼女彡(^)(^)「実は、彼女がサアーーあっ、ワイの彼女がサアーー」

(´・ω・`) 「話ってなに? 最近、なにか楽しそうだけど」


彡(^)(^)「ふふふふ、驚くんやないで。実はワイにもーー」





彡(^)(^)「彼女ができたんや!」





(´・ω・`) 「は?」


彡(^)(^)「原ちゃんも、はよ彼女つくった方がええでー」


(´・ω・`) 「ああそうか、夢の話か。ぼくは、確か星を眺める夢を見たよ、きれいだったなー」


(´・ω・`) 「彼女の夢っていうのは、夢占いでいうと現実に対する欲求不満のあらわれでーー」


彡(^)(^)「ははは。原ちゃん、夢の話やないんやで」


彡(^)(^)「ワイに彼女ができたんは、本当や。現実なんや」


彡(^)(^)「それでワイの彼女がサアーー」


(´・ω・`) 「へー(おかしい)」


彡(^)(^)「そしたらワイの彼女がサアーー」


(´・ω・`) 「へー(ありえない)」


彡(^)(^)「っていうわけなんや、でそのあとワイの彼女がサアーー」


(´・ω・`) 「へー(ワイの彼女って、いちいち言ってくるところがうざいな)」


彡(^)(^)「原ちゃん? ちゃんときいてるか?」


彡(゚)(゚)「あっ、待ち合わせの約束しとったんやったで」


彡(^)(^)「ほな帰るわ、ワイの彼女を待たせるわけにはあかんからなー」スタスタ


(´・ω・`) 「へー……(まあ、楽しそうだしいいか)」







彡(-)(-)「はぁ」


(´・ω・`) 「ん、どうしたの」


彡(^)(^)「実は、彼女がサアーーあっ、ワイの彼女がサアーー」


彡(-)(-)「お金を貸してくれって」


(´・ω・`) 「へー、えっ!」


彡(゚)(゚)「いままで貸した金の合計が、20万円なんや」


(´・ω・`) 「うーん、でもまあ彼女なんだし」


彡(^)(^)「やっぱり原ちゃんもそう思う?」


彡(^)(^)「彼女ーーそう、ワイの彼女なんやからお金貸すのもふつうや! 男の優しさっちゅうやつやで」


(´・ω・`) 「ぼくには彼女はいないから、ふつうがよくわからないけど」


彡(^)(^)「ちょっと安心したわ、ありがとやで」


(´・ω・`) 「……」







彡(-)(-)「はあーーっ」


(´・ω・`) 「君に彼女ができて、もうすぐ半年くらいだね。どう、うまくいってる」


彡()()「原ちゃん、それがーー」





(´・ω・`) 「は? 50万円って、そんなに貸したの?」


(´・ω・`) 「それはおかしいよ、彼女は借りたお金を何に使ってるの?」


彡(-)(-)「う、それがなぁーーホストなんやと」


(´・ω・`) 「え、ホストだって。彼氏の君がいるのに?」


彡(-)(-)「そうなんや」


(´・ω・`) 「絶対おかしいよ! 今すぐに別れた方がいい」


彡(゚)(゚)「うーん、でもなぁ」


彡(^)(^)「ワイがお金を貸すと、とっても喜ぶんやで。料理だって作ってくれるし、掃除もーー他にも」


(´・ω・`) 「別れた方がいいって! だまされてるよ」


彡(゚)(゚)「まあ、ちゃんと彼女と話し合ってみるわ」


(´・ω・`) 「……(大丈夫かな)」







ピンポーン


(´・ω・`) 「はーい」スタスタ


彡(゚)(゚)「原ちゃん、久しぶりやな」


(´・ω・`) 「ああ久しぶり、最近仕事が忙しくてね。いきなりどうしたの?」


彡(゚)(゚)「実はなーー」


(´・ω・`) 「は? 50万円貸して?」


彡()()「こんなこと頼めるなんて、原ちゃんくらいしかおらんのや! 絶対、絶対に返すからーー」


彡()()「ワイの消費者金融からの借金が、もう150万円……」


彡()()「彼女もどこへいったか、わからへん」


(´・ω・`) 「うん」


彡(゚)(゚)「えっ! いいんか?」


(´・ω・`) 「いや、ぼくも少ない給料でやりくりしててギリギリなんだけど」


彡()()「うっ、そうやな。自分ばっかり」


彡()()「……すまんかった」スタスタ


(´・ω・`) 「……(もっと早いうちに、なんとかしたかったな)」


(´・ω・`) 「人を変えるのは、大変だなぁ」








【怖い話】初めての彼女彡(^)(^)「実は、彼女がサアーー」 完

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