忍者伝記〜チートスキルで異世界最強ハーレムは幻想に過ぎないのだろうか〜
覚醒バナナ
第1話 異世界転生
忍伝記 〜チートスキルで異世界最強は幻想に過ぎないのだろうか〜
目が覚めると俺は不思議な場所に立っていた。周りを見回すとそこは辺り一面真っ白で、なにもない空間だった。寝ぼけてるのかなと思っていると、目の前に急に女の人が現れた。
「おめでとうございます、斎藤利斗様。あなたは見事転生者として選ばれたました。」
あまりの急展開に事情を飲み込めなかった俺はなにも言うことが出来ずに突っ立っていた。
「あなたはつい先ほど車に轢かれそうになっている女性の身代わりになって死にました。普通は死んだ者の魂はあの世に行ってしまうのですが、あなたは特別に別世界に転生することが可能です。どうなさいますか?」
そうだ、なんとなく思い出してきた。そうか、俺は死んじゃったのか。まだ向こうの世界でやりたいことがたくさんあったんだけどな。
「あの世に行っちゃうとどうなるんだ?」
「あの世では今の記憶が消去され新しい命となり、現世にもう一度生まれることになります。ただし、転生されるというのであれば今の記憶はそのままにしておくことが可能です。」
なるほど、ならば答えは決まっている。俺はもう少し今のままでいたい。
「わかった、転生するよ。なんか面白そうだしな。それで異世界ってどんなところなんだ?」
「異世界とあなたがいた世界とは異なる点が二つあります。それはステータスとモンスターの存在です。ステータスは生き物すべてが持っているもので、自分のステータスは頭の中で念じると確認することが可能です。モンスターを倒したり、訓練を積むことでステータスを強化することができます。」
すごい。ラノベなんかで読んだことのある異世界転生の流れそのままだ。ちょっと憧れてたんだよな〜異世界転生。この流れで行くと、次は、、
「では異世界への転生を開始します。言葉は理解できるようにしておきますので、おきになさらず。では異世界で頑張ってくださーい。」
「ちょっと待った。それだけ?こういうのって異世界転生特典として神様がチート能力くれて楽して異世界ライフみたいな感じじゃないの?」
「すみません、残念ながらそのような特典はないんです。」
「そんな..楽して異世界最強になれると思ってたのに..」
「今からでもお辞めになられますか??」
「いや、大丈夫です。なんとか頑張ってみます。」
「わかりました。私も応援しております。それでは行ってらっしゃいませ〜。」
すると、体が不思議な光に包まれて次の瞬間には景色の綺麗な草原の上に立っていた。
「うわ〜、なんて綺麗なところなんだ。さすが異世界。」
俺は異世界の景色に感動していた。こんな自然豊かで綺麗な場所、日本じゃ滅多に見れない。たが、今いる場所がどこかわからない。とりあえず誰か人を探さないと。草原を降りて行くと一本の道があった。そこで人が通らないか待っていると、すぐにひとりの男が馬車に乗って通りかかった。
「すいません、一番近い街までどうやっていけばいいか教えてもらえませんか?」
「一番近い街ならこの道をまっすぐ馬車で一時間ぐらいってとこかのぉ。お主こんなところでなにをやってるんじゃ?もしかして田舎から出てきて道に迷ってしまったのか?」
「まあ、そんなところです。」
しかし、馬車で一時間か遠いな。俺は当然移動手段なんて持ってないし歩いたら日が暮れちゃいそうだ。どうしたもんか。
「もしよかったらこの馬車に乗って行くか?わしもちょうどその街に住んでおって、今から帰るところじゃ。」
「いいんですか?」
「ああ、もとよりその街に帰る途中じゃ。ひとり人が増えても構わん。」
「ありがとうございます。じゃあその言葉に甘えさせてもらって、乗せてもらうことにします。」
そうして、おっちゃんといろんな話をしながら馬車に揺られているとすぐに街の門の前についた。
「じゃあここでお別れじゃ。」
「ありがとうございました。」
「ああ、これはわしからの選別じゃ。ぜひ使ってくれ。」
そういっておっちゃんは俺にペンダントを渡してきた。
「ありがとうございます。大切に使わせていただきます。」
そう言って俺はおっちゃんに別れを告げて、始めての街に足を踏み入れるべく、歩みを進めて行くのだった。
街はとても大きくて、通りには色々な店が並んでいる。街に感動している中、俺は重大な問題に気づいてしまった。
「お金がない。」
そう、異世界に来たばっかりで今の手持ちは0なのだ。これはとても由々しき事態である。これはおっちゃんが言っていた冒険者組合で冒険者として登録し、クエストを受けてお金を稼ぐしかない。ということで、この街で始めての目的地は冒険者組合に決定した。
街で一番でかい建物だと聞いていたのですぐに場所はわかった。中に入ってみると、強そうな人たち視線が集まってきて怖い。恐る恐る受付まで行くと、優しそうな人が対応してくれる。
「この街の冒険者組合ははじめてですよね?今日はどのようなご用件でしょうか?」
「冒険者登録をしたいのですが。」
「わかりました。では少々お待ちください。」
そう言ってその人は受付の奥の方へと消えていった。5分もしないうちに、受付の人は一枚のカードらしきものを持って帰ってきた。
「このカードに血を一滴垂らしていただくと、あなたの情報が全て記録され、これが冒険者としての証となります。」
言われた通りにカードに血を垂らすと、カードが一瞬光った。
「これであなたの冒険者としての登録は完了いたしました。これからあなたはGランクの冒険者です。このカードがあれば組合が発行してるクエストが受けれるようになります。クエストは自分と同じランクか一つ上のランクまでは受けることが可能です。クエストをクリアするとポイントがたまっていき、一定のポイントがたまるとランクが上がる仕組みになっています。このカードは身分証明書としても使えるので、紛失には十分にお気をつけください。」
「わかりました。では早速クエストを受けたいのですが、何か初心者向けのを見繕ってくれますか?」
「わかりました。ではこの薬草採取のクエストはいかがでしょうか?今薬草不足でして、報酬も少し上がっております。」
「じゃあこれにします。」
「はい。では規定数の薬草を取り終わったらここまで薬草を持ってきてください。その時点でクエスト完了となります。」
「はい。」
よし、これでなんとか少しだけどお金が手に入るぞ。最初はやはり採取系のクエストがいいよな。いきなり討伐系のクエストはハードルが高そうだ。採取クエストと言ってもモンスターに遭遇しないとも限らないし、一回ステータスでも確認しとくか。
リト サイトウ
Lv1
力10
耐久10
敏捷10
器用10
魔力5
スキル なし
ギフト なし
ステータスの数値の方はは基準がわからないけど、Lv1だし多分低い。しかも、スキルなし。ギフトって欄も意味不明だし、とりあえずひどい..さすが転生特典無しだ。こりゃレベル上げないとモンスターと戦うのは厳しいかも。まあ、今回は薬草取るだけだし、モンスターに遭遇してもばれないように逃げながら集めることにしよう。
日が暮れる前に集めるために急いで薬草が生えてると言われた場所まで来た。確か薬草の規定採取数は20本だ。多く集めればその分買い取ってくれるらしいので、目に見える範囲の薬草はほとんど採取することにした。
「ふぅ、結構集まったな。そろそろ暗くなって来たし帰るか。」
組合から薬草を入れるためにもらった袋がパンパンである。50本ぐらいは採取しただろうか。そうして帰路に着こうとしていると、少し離れた木の陰で何かが動いたような気がした。恐る恐る近づいてみると、ゴブリンが三体ほどいた。初めて見るモンスターに少し興奮しながらも、武器ももったいない俺が叶うはずもないのでバレないように街に戻ってきた。
早速クエストの報告をするために組合に来たのはいいが、人が多すぎる。さっき来た時よりも一段と人が多い。この時間になるとみんなクエストの報告とかで混むのだろう。俺も受付の前にできた長蛇の列の最後尾に並ぶ。しばらくするとようく俺の番が回って来た。
「クエスト報酬の薬草です。」
「はい、クエスト完了の報告承りました。それではギルドカードにポイントを加算しますので、冒険者カードの提出をお願いします。」
そう言われて、俺が冒険者カードを提出すると、お姉さんが冒険者カードにハンコのようなものを押す。すると冒険者カードの表面に文字が浮かび上がり、次の瞬間その文字が消えてしまった。
「初めての依頼お疲れ様でした。受付でこのハンコを押してもらうことでクエスト完了となります。報酬は過剰の薬草の買取も含めて銅貨10枚です。」
「ありがとうございます。では。」
そういうと、初めてのクエストで疲れていた俺はすぐに組合を後にした。
とりあえず宿を探さなければならない。今の手持ちは銅貨10枚。この世界の物価はわからないけど、あんな簡単なクエストをこなして手に入るだけのお金で贅沢はできないはずだ。とにかく宿は一番安いところにしよう。探し回った結果銅貨5枚で泊まれるところを見つけ泊まることにした。お世辞にもいい部屋とは言えないところだが、俺は部屋に入るとすぐにベットの上で寝てしまった。
忍者伝記〜チートスキルで異世界最強ハーレムは幻想に過ぎないのだろうか〜 覚醒バナナ @kakusei_banana
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