第2話 獄炎の化身
俗にいう”異世界転移”が起きたと・・・
なんと可能性が高まる証拠は他にも過去にまだ規制の掛けられていない頃、プレイヤー数とアカウント数が一致しなく謎の人口急激の減少。それもいきなり1,738億の日本の人口が1,268億にたった一日で減少した話だ。当時は当然大ごとになった。このことから科学者は唖然としていたそうだ。それは消失したプレイヤー達は現実での体ごといなくなっていたそうだ。そしてまた消失したプレイヤー達が現実に姿を現したとしても肉体は生命の役割を終えていたらしいがこの現象は規制されて以降あまり耳にしなかったがまれに起こる。
だが科学者たちは未だにこの現象を解決できていない。そして消失したプレイヤー達は現在、現実で異世界転移者と言われている。
このことがふと脳裏に浮かび、自分がなってしまうという事も考えてもいなかったため必死にほかの可能性を探すことにした。
一つ一つ解決するためにまず・・・
と行動に移そうとした途端、今いる野原で叫び声が響き渡った。
声からして子供の女の子の声だ。
「いい機会だ。魔法が使えることの確認とこの世界のことを聞く唯一の種族になるかもしれない。向かうとするか」
そう言うと
「成功だ。魔法はこの世界で通用することが分かったな。お前たちも来るといい」
2体のNPCはその言葉の後に同じく
ボロード野原の夕暮れに草道を通る馬車が一つ。
「お母さん、やっと村に帰れるの?」
「えぇそうね。村の名産のパンと牛乳、それに近隣の森でとれた薬草の納品が済んだから帰れるわよ」
と馬車はこの家族の住んでいる村の領域王国に毎月の品の納品を済ませ、金銭を預かって村に向かい帰っているところだった。
「家に帰ったらお父さんが仕事に手伝ってくれだって」
「あらそう?わかったは。たぶん畑作業だと思うし」
と少女は笑顔で母親と会話に楽しんでいた。
母親は張ってきたお腹を摩りながら少女に馬の手綱を任せ馬車で腰を落として話していた。
あまりスピードも出せない為、このままのスピードだと村に着いた時には陽も落ちて、今日は綺麗な三日月が上がるだろう。
と傍から見るとほっこりする家族の談々が続き夜を迎え馬車に付属するランタンに母親が火を灯す。
夜を迎えると暑苦しい熱の月なので心地よい風が夜になるとよく野原を駆けるようになる。
途端付近の草むらから一瞬影が少女の目に映る。
いつもの道。だが馬が前進するたびに重苦しい空気が肩にのしかかる気がした。
このことは言いたくても母親に言えなかった。心配を掛けたくなかった。
そしてその行為が後に災いに招いたのだった。
選択という時間さえ与えられずにそれが起きた。
影が草むらから勢いよく走り金属同士が幾度とぶつかり合う音とともに馬をロングソードで切りかかった。
馬が体勢を保ち切れず、馬車ごと横転した。そのことで何も知らない母親が急に投げ飛ばされ野原の草むらがクッションとなって怪我をせずに済んだ。
少女は馬車の近くで一時的に意識を失う。
意識が蘇るがまだ朦朧としているがぼやけた視界だが母親の近くに影の正体、騎士風のゴブリンが向かって歩き寄る。
視界がまともに見えるほどにまでなった時にはゴブリンが意識を失っている母親に手に握りしめているロングソードを突き刺そうとしていた。
「やだ。お母さん!」
声は届かずゴブリンは剣先を母親の膨らみのある腹をめがけて容赦なく突き刺す。
このことで突き刺された後に母親が意識を取り戻し声にならない叫びで痛みと悲しみが混ざって涙を流し
「逃げなさい・・・ニーファ・・」
と力が尽き、口から大量の血を吐き出した。腹には突き刺されたと同時に大量の血が勢いよく噴き出る。
ゴブリンは剣を腹から引き抜く。すると切り口から内臓が少し飛び出した。
そんな夢にでも見なかった絶望の光景を今数秒で終わった。そして二つの命がここに奪われた。
ニーファはいきなりのことで唖然と地に這いつくしていた。言葉が出なかった。
気づいたときはすぐ近くでゴブリンが剣を振り上げようとしていた。
ニーファは死んだと悟った。
人間の本能ともいえるように恐怖のあまり絶叫の声をあげた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!助けて!誰か助けてぇええ!」
ゴブリンが剣を勢いよく振り下ろす。ニーファが恐怖のあまり目をつぶった。
いくらたっても切りかからないので目を開けるとゴブリンは勢いが良すぎた剣に体制が崩れニーファの隣に剣が突き刺さっていた。
その時ニーファは考えるよりも先に体が動き足が勝手に動いていた。
生死を賭けて走る。
理解したときには叫びながら草道から野原を一生懸命走り、殺された母親を後にした。
ゴブリンはバランスをとり戻したらしいのか背後から草を踏む自分とは違う音が徐々に近づいてくる。
「はあ・はあ・・誰か助けて!・・・お母さん・・」
乾ききったと思っていた涙がまた視界を包み少女には世界が潤んで歪んだように見えた。
そして涙を拭いていると目の前の木に正面からぶつかった。目の奥に一瞬火花が散った。
腰に力が入らなくなった。
そのまま木に腰を掛けてばたりと座り込んだ。
そしてゴブリンが少女に追いつき再び切りかかろうと剣を振り上げ、少女の絶叫をも切り分けれるほどの勢いで今度は横から切りかかろうと振り下ろしてきた。
恐怖のあまり目を力いっぱいつぶった。
相馬島に浸っている少女に剣がなぜか手から離して落とした時の金属音がした。
そろりと目を開く。そこにはゴブリンの頭を一握りしている手から炎が噴き出ている頭に漆黒に染まる角の生えた180はある身長の男とフルプレートの見たこともない金属に覆われた何者かがその男の背後に平然と立っていた。
少女の目には不敬ながら魔の頂点に立つ魔王に見えた。
ルルベルトは空から女性の遺体と近くの横転した馬車、瀕死の馬を見かける。さらにその先には騎士風のゴブリンに追われている少女が走っていた。
すると瞬きもする暇もなしに少女とゴブリンの動きが止まった。
「まずい、情報を聞き出すことができなくなってしまうぞ!」
「私方も向かいましょう」
「いや、お前らは周囲の警戒にあたってほしい」
と発した後に詠唱の効果を弱くして落下する。
魔法の詠唱を唱えた
唱えると全身に炎を身に纏わせ炎の勢いで蹴りを入れようとした。がちょうど落下した所がゴブリンの頭上だった。
そしてゴブリンは蹴りだけでも倒せてというのだが更に炎の火力が強いことから蹴りを入れたとき辺りに一瞬軽い熱風を送ってゴブリンに炎が燃え移り鎧は半壊し身は灰になって倒した。
少女はまだ怯えているがさっきまでの怯えとは違った。
少女は震えながらにその言葉を発した
「獄炎の化身・・・」と
獄炎の王 ナマケモノ @yutokiti
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