第09話 こういう性格なもんで。



 どういう風の吹き回しか、相楽が俺ときちんと話をしてみたいなんて言ってきた。なにかおかしい。圭佑しか興味がなく、俺との会話は必要最低限しか話さなかった相楽が。


「なにか悪いものでも食ったのか? まさかお前からそんな事言われるとは思わなかった」


不機嫌そうに俺は言った。飯を食いながら。我ながら俺飯美味い。


「いえ、身近な人があなたのこと気に入っててね。それで少し気になったというところかしら」


ほう、相楽の身近な人ね。あれ? 相楽? やばい。今頃気づくか? 俺? もしかして? 


「あのー。もしかしてお前、お姉さんとか一個上にいたりする? 」


俺は恐る恐る聞いてみた。


「えっ? 今更? もしかして知らなかったの? 相楽 美樹は私の姉さんですよ」


「ぶっ」思わず、飯を吹いてしまったじゃないか。


「まじか、悪い。俺知らなかったわ」


今知ったことを素直に伝えた。


「今まで私と会話したことあったのに。そこまで興味がなかったのね、私のこと」


「んー確かに興味がなかったといえば無かったが、有ったとしても聞く必要あるか? お前の姉さんが誰であってもお前はお前、変わらんだろ? 必要性がわからない。まあ、話の種としてでてくることはあるだろうがな。」


 俺は思っていることを口にした。そして俺飯食います。おし食べ終わり、昼食終了です。ゆっくり茶を飲ませてもらうぞ。


「はっきり興味ないと言われるとちょっときついわね。まあ、私も圭佑くんのことばかりではあるから。人のこと言えないか」


 相楽は、すこし笑いながらそう言った。


「はぁ、ということは相楽先輩からなにか聞いたのか? 」


「そうね。振られたって泣いてたわよ」


うわっ聞きたくないこと聞いてしまった。やっぱり泣いてしまったのか。ほんとごめんなさい。


「断るしか無い条件だったからなぁ。こればかりはどうしようもない」


「というより、あなた、姉さんのこと好きなの? 」


おいおい、あんまりおっきい声出すな。周りに聞こえる。


「んーわからないが本音かな。だって相楽先輩のことよく知らないし。もし告白が問題なかったとしても最初は友人関係からかな。あっ上手くいってたら友達ふたりめだったのか? 」


と、圭佑以外に友達? そう考えると思わず笑ってしまう俺だった。


「変わった人ね。姉さんなら大体の男は飛びついていきそうなものだけど」


呆れたように相楽は言った。




「まあ、仕方ないね。こういう性格なもんで」


俺はお茶をまったり飲みながらそう答えた。

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