第435話候補者との面談が終わり

4人の政治家候補者との面談は、一旦終了。

再び、来週の土曜の夜に面談となった。

麗が言及した具体策や、4人の共同作業、九条家内での話し合いの時間を考慮してとのことになる。


麗は、「また忙しい」と思うものの、以前、和菓子職人に、「街衆の意見を聞く」と約束したこともあるので、その旨を三条執事長に伝える。


三条執事長の了解も早い。

「わかりました、今夜の様子も、街衆の主だった人にお伝えします」

「来週の面談の時は、参加していただきます」

「また、候補者さんにも、その旨を伝えます」


麗は、その早さに、恐縮。

「あまり無理はさせないように」


三条執事長は笑顔で首を横に振る。

「いやいや、この話の持って行き方は、候補者さんも街衆も喜びます」

「ますます、京の街も盛り上がります」

「さすが麗様です、九条の評判も高まります」



そんな緊張感のある時間が終わり、お世話係たちとの、混浴となった。

相変わらずお世話係たちは、麗を囲んで話が尽きない。


「はぁ・・・昨日、ご一緒できんかったから、寂しくて」

「相変わらず、お肌はきれいや、もち肌」

「あなた、時間長過ぎ、早う・・・うちに」

「泡まみれや、麗様、おもろい」

「押し付けんと・・・ほら・・・」

麗は、圧倒されて何も言えない。


泡を流され、湯船に沈むと、またお世話係たちに囲まれる。

「お疲れさまでした、ほんまに」

「鈴村様のお家に行かれ、孝行をなされ」

「お墓参りに、政治家候補者さんとのお話」

「しかし、どれも、麗様らしい、感心しきりですわ」


麗は、ようやく口を開く。

「皆さんに助けられてのこと、ありがたいなあと」

「意見を聴いてくれて、助かります」


お世話係たちは、また笑顔。

「ありがたいのは、私たち」

「みんな、麗様が好きなんです」

「お世話係で、東京に行くのも楽しみで」

「たくさん、御用を言いつけて欲しいんです」



そんな混浴が終わり、麗は可奈子と自分の部屋に戻った。


可奈子

「改めまして、お疲れ様でした」

麗は、息を吐く。

「行き当たりばったりかな、少し粗かったかと」

可奈子

「いや、あれで十分、真意が伝わって」

「候補者さんにも、街衆にも、妙案です」

「一石二鳥どこやないです、麗様の考え方の広がりも早いと思います」


「京都人に厳しいことを言ったかなと」

可奈子

「いや、あれは当たり前です、今までは、お世辞ばかり言われて、あるいは言わせて」

「それで得意顔する、付け上がる程度の低い連中が多くて」

「それやと、ますます、お世辞を言い合うだけの、内輪だけの京都になる」

「内輪から外れた人の足を引っ張るだけとか、そればかりに」

「他所から来た人の、おもてなしで持っている街がそうなれば、未来はないです」


「完全に根絶は難しいと思う、そういう人たち」

「ただ、それが通用しづらい、そんな京都にしたくて」

「より、全体的な質の向上、あいまいな言い方だけど」


ただ、疲れも出て来たようで、そのままベッドに寝転んでしまう。

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