第80話翌朝、麗は危険な発言をしてしまう

麗は、麻央と佐保に抱きつかれたまま、爆睡した。

「行為」の疲れや、久々に食事を多く食べたことも、影響したのかもしれない。

全く何の夢も見ない、目覚めた時は、気持ちが良かった。


麻央が麗の顔を覗き込んでいる。

「よく寝ていたよ、可愛かった」

佐保は、麗の身体を撫でている。

「もう少し、お肉を付けたいよね」


麗は恥ずかしい。

麗自身も、麻央も佐保も、下着も何もつけていない。

麻央も麗を撫で始めた。

「麗君の着替えも必要だね」

佐保

「様子を見て取りに行く?」

麻央

「リスクもあるけれど」


そんな話をしていると、麗のスマホが光った。

手に取ると、料亭の女将香苗からのメッセージ。

「三井さんは危険なので、警察に通報しました」

「その後、三井さんが、警察に連行されて、ご両親が連れ帰った」

「当分は、ご両親が自宅から出さない方針と警察から連絡がありました」


麗は、安心した。

そして、そのスマホ画面を麻央と佐保に見せる。


麻央は、麗を当分帰す気はない。

「でもね、麗君の食生活も心配なの」

「仕事も手伝って欲しいから」

佐保も同じ。

「とりあえず、落ち着くまで、泊まったら?」


麗は、少し困ったけれど、最低限の結論を出さねばと思った。

「わかりました、まずは今日は日向先生とのお約束のようなので、そこに出向きます」

「それが済んで戻って来たら、アパートに一旦は戻ります」

「郵便物もあるかもしれませんし、ここでお世話になるにしても、衣服も必要です」

「教科書類や書物もアパートにあるので」


麻央も佐保も、麗の結論には、「まあ、その通り」と納得。


麻央は麗をなで続ける。

「先生のお宅に伺うのは午前10時、まだ時間がある」

佐保は、麗への刺激を強くする。


麗は、その二人の求めを拒むことは出来なかった。

二人と、また情を交わすことになった。


行為が終わると、三人で大風呂に入る。

麻央はトロンとなっている。

「はぁ・・・極楽でした」

佐保は顔が赤い。

「あれ、私、肌の張りが違うなあ」

麗もクラクラとなっているけれど、恥ずかしくて黙っている。


下着を含めて全ての洗濯が終わっているので、麗は昨日と同じ服装で朝食を食べる。


麻央

「麗君は地味な服装が多い」

「人間が地味です、仕方がありません」

佐保

「どことなく品がある、紫系統が似合う」

麻央

「色白だよね、うらやましい」

「アウトドアは苦手です」

佐保

「うん、麗君はそういうモデルは無理」

麻央

「一度、直衣を着せてみたい、公家風の」


麗は、その「直衣」で、表情が変化。

「うーん・・・あの匂いが好きでない」

つい、言ってしまって、後悔する。

確かに、京都の九条屋敷で着たことがあるので、その時の思いを、そのまま言ってしまった。


そして、その後悔通り、麻央と佐保が、不思議そうな顔をして、麗を見つめている。

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