第42話サキュバス桃香は麗を襲い始める。

桃香は麗の唇を、しっかりとふさぎ、抱きしめる力も強い。

麗は、全く抵抗ができない。

とにかく「虚を突かれた」状態。


「ふう・・・」

桃香は、麗の唇から、ようやく自分の唇を離す。

しかし、腕は麗のお尻を強く抑えたまま。


「桃ちゃん」

麗は、そこまで言うのが限度。

心臓がバクバクとして、全く声にならない。


桃香は、そんな麗が面白い。

「ふふん、子供の頃から、10年ぶりやな、麗ちゃんを食べたの」

「まあ、あの頃はハツラツ麗ちゃんやったけど」

「今は、瀕死の麗ちゃんや」


麗が「うっ」と答えに詰まると、桃香はニヤリと笑う。

「うちな、サキュバスになろうかな」


麗が首を傾げると、桃香の唇が麗の首筋を襲う。

そして耳元でささやく。

「麗ちゃんんに馬乗りになってな、麗ちゃんの精気を吸いつくすんや」

「麗ちゃんを、吸い殺す」


麗は、また押される。

「桃ちゃん、どうしたの?」

「正気?」


しかし、桃香は答えない。

麗の首筋を吸い始める。


桃香は、麗の首筋をしばらく吸って、ようやく唇を離す。

そして、麗にとっては答えようのない言葉。

「麗ちゃん、美味しい」


麗が返事に困ると桃香は、その手で麗の手を強く握る。

麗は、桃香の手がお尻から離れたので、ようやく落ち着く。


しかし、桃香の次の言葉で、麗は、また固まることになる。


「麗ちゃん、ベッド」

「ベッドで麗ちゃんを抱く」


麗は身体を硬直させながら聞き返す。

「桃ちゃん、何を言っているの?」

「自分が何を言っているのか、わかる?」


桃香は、麗には答えない。

そのまま、麗の手を引いてベッドに歩きだす。

そして、その力も強い。

下手に抵抗をすると、つんのめりそうになる。


麗は、結局抵抗できなかった。

麗としても。「ベッドに寝て抱き合うくらいだろう」と、途中で思った。

そういえば、子供の頃は、一緒に寝たことも思い出す。


「わかった」

「少し寒いから?」

麗は、桃香とベッドに横になり、しっかり掛け布団をかける。


すると桃香は掛け布団を押しのける。

「これ、邪魔や」

「いらんかも」


麗が意味不明でいると、桃香は、いきなり身体を動かし、麗の上にかぶさる。

「うちが麗ちゃんを温めるんや」

「冷酷の冷ちゃんを温める」


桃香の腕は、麗の背中に、しっかりと巻きついている。

焦る麗に、桃香は笑う。


「抵抗は許さん、これで麗ちゃんは、うちのもの」


桃香の唇は、再び麗の首筋を襲い始めている。

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