緋いろねの剣
秋津廣行(あきつひろゆき)
旅立ち
あめの神とつちの神
第1話 凍てつく大地~滅びゆく日高の国
凍てつく大地~滅びゆく日高の国
今から、およそ三千三百年前、
日高の国のあめ族は海峡を挟んで北の地に住んでいた。族長の名は、宇都志輝々星(うつしのかがほし)と言い、
あめ族の
つち族の
あめ族とつち族は、あめつちの命と命をより合わせ、生きる力となした。
一方、火の山、
しかし、あめつち(天地)の営みは休むということがない。安らぎの時を終えると、大地に生きるすべての命は、
ある冬のことである。暖かい冬に、珍しく北風が激しく吹き荒れ、一夜のうちに大地が
命あるものは、生きる力をなくし、人々は
そんなある日、あめ族の
「われらは、各々のむすびの神を信じて、お互いの土地を守っている。わが
「まことに仰せの通りでございます。あめつち(天地)の乱れに寄り添うところはなく、われら、ただ、つち(土)に潜って慄くばかりにございます。」
「近頃は、天水(あめ)も降らず、つち族が守る大地は干からびてボロボロではないか。わがあめ族は、古くより天空の星を見て明日を占い、星の動きに一族の行く末を預けてきた。今、占いの明らかなるところによると、「もっと高い太陽の地を求めるべし」とのしるしが出ている。どうだろう、ここは
「かくなる上は、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます