クリスマスのあれこれ

type.A は完全アウトだったので、B だけだよぉ!

500文字しかないよぉぉ!!




type B.


「じゃ、あの、……しつれいします」

 恐る恐る、そ、と寄ってくる顔をガン見する。

 彼はその丸渕メガネを外すつもりはないらしい。


 クリスマス、何が欲しいかと訊かれたから、君からのキスが欲しいと言ってみた。

「き、…………す…………!?」

 ぼ、僕からですか、と、あからさまに動揺した君のあの表情は卑怯だった。

 もうあの瞬間に襲い掛かってしまおうかという激しい衝動に駆られたけれど、今日のこの楽しみのためだけに必死で耐えた。

 君のその儚げな雰囲気は、卑怯だ。


「あ、あの、良かったらちょっと、あの、目を閉じてもらえませんか……」

「え、」

 なんだって。

 そんな勿体ないこと、

「あの……は、恥ずかしくて……」

「あ、うん。……はい」

 ちくしょう。

 なんて可愛いことを言うんだ。

 嫌だって言えないじゃないか。

 こっそりと薄目を開けているのは秘密だ。

 君の顔が近づいて、震える吐息がかかって、一瞬。

 触れたのは本当に一瞬だった。

 ああでも、満足だ。

 だって君がこんなことする相手なんて、僕以外にいないんだろ。

「ごめん君のメガネ、外していいかな」

「えっ、」

 返事の前に勝手に外してしまうと、余程目が悪いらしい、焦点が合わないのか、瞳がぼんやりとした。

 でもこれなら、恥ずかしくないでしょ。

 僕はもっと君のその顔を、見ていたい。

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