第4話 (36)

「訳わかんない人だったし…あのオウム会ったことあるし…魔法じゃなかったような気がするし…魔法陣でもあんな威力でない…」

「あ…あぁ…そうだな…。魔法陣展開…治癒…」

「あ、ごめん…鎮痛…」


 俺の魔法が終わってから鎮痛の魔法を掛けてもらう。にしても…。


「ひでぇザマだな…」


 男達が痺れてよがっているので足の踏み場があまりない


「そうね…ありがと」

「何が?」

「『早く死ね』って…強姦されて欲しくないって独占欲…結構好きだよ」


 そこまで見抜かれてたのかよ……。はぁ……思い出したように恐怖で身体が震える。


「…ごめん……ごめんな…。弱くて…ごめんな…」

「…うんん…いいよ…。守ろうとしてくれて嬉しかったし…。弱かったけど…ふふっ」

「おい、それを言うな……悲しくなるだろ?」

「あはははははっ、馬鹿みたいっ……あ~お腹痛い……くっ…はははははっ」

「……」


 やっぱ最初にあったときと同じ考えを持つ。『ダーナ呼ぼうかな』。


ーー数十分後ーー


「はぁ…つまり喋る黄色いオウムを乗せた青年に助けられたと…」

「はい…そうなんですよ…恥ずかしながら…」

「{聞いたことあるような…}ちなみにその青年の年は?」

「え~っと…15歳ぐらい…ですかね…」


 詰め所で事情徴収を受けていたら…いきなり肩を掴まれた。

 振り返ると女の衛兵がいた。階級は…衛兵じゃなくて騎士!?

 思わずたじろいでレイラに笑われる。


「喋る黄色いオウムを乗せた男?…15歳ぐらい?」

「あ…はい。そうですね」

「そうか…失礼、ありがとう」


 俺が何かを言う前に詰め所から出てったその騎士を見て、衛兵が溜め息を吐いた。


「すいません…ちょっと彼女にもいろいろありましてね…。ご協力ありがとうございます。宿までお送りしましょうか?」

「いえ、大丈夫です。では…」


 …なんの関係なんだろ…。まぁいいか。


「今他の女の事考えてたでしょ…」

「…嫉妬するレイラは可愛いな」


 昼のSモードの余力が残っていたか。ボッと赤くなったレイラの顔を見て、にやついた。


「…好きよ」


 でも…頬に落とされたキスには敵わなかったみたいだ。


「ぇ?ちょっ!」

「嘘かホントか…当ててみてよ」

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