第4話 (31)
「凄いわね…。あの男の子が完全に支配してる…」
「何覗いてんのy…?なっ…凄いっ…男の子ドS過ぎでしょっ」
「シィーッ。聞こえちゃうでしょバカッ。でも…凄い甘いわね」
「うんSMのクセに甘い。甘すぎ」
「私の彼氏SM好きだけど叩かれて喜ぶような女じゃないってのっ」
2人の会話に飛び込んでくるその女は彼らを眺めながら切れ気味に言った。
「ああ言うのだったらいいけどさっ」
「結局Mじゃん」
「Mね、精神的に。でも入ってきたときは女の子の方が先導してたのよ。だから…」
「男の子センスありすぎじゃんっ、Mに誘導するって…」
感嘆の声がリュートにとって素直に喜べない題で上がっていた。
ーーーー
はっ……俺は何をやってるんだ?
二個目のパフェがくるまでの待ち時間で目が覚めた。今俺は…とてつもなく恥ずかしいことを堂々とやっていた気がする。
「リュート……どうしたの?」
レイラがいつも以上…いやいつもと違って甘い声を出す。
「あ、ぁあ……なんでもない…。俺の事嫌いになったか?」
こんな甘い越えだしてる時点で違うと分かっていても不安になってきたんだ。
「なってない……今日のリュートSだよぉ……」
「…ご、ごめん…どうかしてた気がする」
「別にいい…でも……」
「お待たせ致しました。夏のトロピカルマンゴーパフェで御座います」
おい、話しの骨折るんかい!
「あ、はい…。じゃぁ……リュート。口開けて?」
「あ…お、おう」
これから何が起こるのかなんとなく想像が付いた。
「あ……」
レイラの顔が赤い。でもそれ以上に……。
リュートの顔が赤い。…無心になって…。全然恥ずかしいことじゃないわ。レイラ、Sになるのよ。
「あ~ん」
「………」
リュートの開いた口にパフェを入れる。
リュートが真っ赤な顔で私を見た。ヤバい。この感覚は…クセになる。
「あら?リュートどうしたのかしら?熱でもあるの?」
額に手の平を押し当てる。当然熱くはない。が、そのまま自分の額をくっつけた。
「ん~。熱は…無いみたいね。でも体調悪そうだし横に座るわね」
立ち上がる。リュートが溶けた目で私を追いかける。横に座るとブルブルと首を振って口を閉ざした。
俺…落ち着くんだ…。さっき感覚を…とまではいかなくても平常心。いつも通りを思い出すんだ…。
「よいしょと…ふぅ、これだと食べさせやすいわね」
リュートの首に手を回し、顎に指を這わせる。
「くぅ……」
やばい…フィーバータイムだ。私なんでも出来る。
「ぁあ、これじゃあ手が足りないわね。仕方ないけど…はい、あ~ん」
パフェを掬った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます