第4話 (28)

「はぁ……よくも私のこと突き落としてくれたわね」

「え?」

「告白してきたと思ったらセコい告白の仕方だしらしくもない!

 すぐ泣き出してどっか行く。その所為で夜にいっしょにシェアしようと思ってたケーキも食べれない!

 帰ってきたと思ったら酒臭い。しかも『一緒に明日飲もう』って昨日約束したワインだし!

 しかも泣き崩れたから私がベットまで運んで。重かったのよ!

 その癖私をベットから押し出して一切彼は触れていない落とす!

 なんなのよ!この馬鹿!」


 ……怒濤の勢いで言われても……。


「え~っと……ごめん…………」


 意識が覚醒してきた。振られて……。


「………振った男同じ部屋で!ましてや同じベットで寝ようとするな!約束を破った!?

 だって振られたんだよ!俺の事キモがってるんだろ!

 一緒にワイン飲む?どうやったら振られた女と飲めるんだよ!どうやった振った男の飲めるんだよ!」


 なんで振った男にこんな扇情的なんだよ!誘ってくるような行動と言動をするんだよ!

 お前は娼婦かよ!


「振られないように告白すれば良いんでしょうが!振られても、最終的にはOKもらえるように振る舞いを改めれば良いんでしょ!」

「なんだよ!じゃあ俺が好きだって言えばいいのかよ!

 あぁ!好きだよ!レイラの事が大好きだ!」


 なっ……いきなり言うんじゃないわよ……。え……ぇ…。ど、ドキドキする……。


「ほら!言っても変わらないだろ!俺はもう寝る!」


 頭が痛い…頭痛で脳筋語…。違うな、筋肉痛か。脳筋が故に


「ちょっ待ちなさいよ!ちょっと返事させなさ…………」


 リュートはベットに倒れ込みそのまま荒い寝息を立てていた。


「本気で寝やがったわ……もうっ……。勝手な野郎ね…」


ーーーー


「おい、この前は逃がしたが今回は逃がさねぇぞ?」


 いつかは……こうやって捕まるとは思ってたが…こんなに早く……。

 路地裏に入った瞬間挟み撃ちかよ。


「俺を縛ったところで金なんて出てこねぇぞ?」

「はっ、粋がったところで声が震えてんだよ坊主。これからぁ……そうだな。

 顔はまぁまぁいいし年齢的に欲しがる女もいるだろう。

 お前には男娼をしてもらうことになるだろうなぁ?」


 魔法陣を展開するしか……。なんで火炎の魔法陣を刻んじまったんだ?過去の俺、恨みます!


「魔法陣展開!かえn…」

「はっ、魔法陣刻んでるヤツが1人も居ないとでも?」


 赤髪の男が俺に手をむけていた。俺の魔法陣の光が消える。


 魔法は共生できない。二つの魔法がその場に存在すれば打ち消し合う。その所為でリュートの魔法は消えた。


「さて、魔法陣なんて金持ちのもんだが相手が1人でも持ってる時点で無力なもんでな。さっ、早めに負けを認めるか?」

「……チッ…。説明いらねぇよ。あと……投降はするわけねぇよ!」

「だから無駄だっつってんだろ?」


 手から吹きかけた火は一瞬にして消える。魔力量の勝負にでるしか…。


「魔力量の勝負だったらお前勝てねぇよ。はっ、やれ」


 男達が一斉に俺に駈け寄ってくる。くそが……。

 どうにかして……!


「…………ふっ…」

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