第4話 (25)

「なんなんだよあの双子……」


 俺が出会った双子は…訳が分からないほど強い。


「もう出会いたくねぇな……」


 カチャリと自分の家の扉を開けた。が、同時に隣の部屋が開く。

 そう言えば…今日だったか。新しい人が来るのって…。


「顔合わせだけでもしとくk……げっ……」

「…あら……お久しぶりですわね」

「姉様どうかされま……はぁ……下餞が……」


 うるせぇな下餞下餞。お前らもその下餞と同じアパートに住むんじゃねぇかよ。


「さ、さっきは助けてくれてありがとう……」

「はい?私たちに危害が加えられそうだったので排除したまでです。勘違いをしないで下さい」


 声のトーン的に…ツンデレとかではないのか…。ちぇ…。

 なんか腹立つな。姉に歩み寄る。全く怯えた様子がない。


「おい、人と話すとき顔を合わせなさいって習わなかったのか?

 ずいぶんの礼儀のなってない事だなぁ。ベール外せ……」


 喧嘩腰で姉の方のベールを取ろうとすると…その手が弾かれた。


「次は腐敗させますわよ?」

「なっ……」

「今触れましたね?下餞な者が姉様に……」


 首筋に冷たい何かを感じる。妹が居なかった…。

 背後にうっすら感じる気配で俺を殺そうとしているのが妹だと分かる。


「ダーナ。貴方が手を出すほどの男でもないわ。

 歩くのだって隙だらけ、切れると周りが見えなくなる。

 こんなのでダーナの手は穢させないわ」


 姉の声は完全に凍っている。後ろにいる『ダーナ』?の気配もこわばる。

 どうしてこいつが怯えるんだ?


「頭だって悪そうだし…頭が痛いときは筋肉痛だと覚えておきなさい。あぁ、脳筋だから分からないわね」


 そう言って扉に鍵を掛けた姉は外廊下を歩いた。くっ…相手にもされてねぇ…。


「下餞が…二度と関わらないで下さい」

「…くっそ……お前らこそ関わってくんじゃねぇ……」


 馬鹿にされてやがる。ぜってぇ…後悔させてやる。


ーー夜ーー


「あんさ……俺が………」


 もうあと四日三日…。過ごせる時間は…少ない。


「なに?」

「ぁ……ぃゃ…なんでもない……」

「いや最後まで言い切ってよ」


 分かってる。高確率…8,90%レイラは俺の事が好きだ。いや…99%と言っても良いかもしれない。

 でも…確証もないし確信も持てない。

 そのハズレの1%が当たったら…どうしようか…。この関係が壊れちまうのは…絶対にイヤだ。


「…あのさ……」


 何か…方法は……。


「お、俺がさ…」


 そうだ…冗談だって言えばいいんだ…。


「レイラの事が好きだ。俺と…どういうんだ?交際してくれ!って?」


 口からすらすらと出てくる言葉。よしっ、言えたぞ!

 大丈夫だ。不運は今まで噛み締めてきた。最後ぐらい幸運でも良いだろ!

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