第4話 (23)

 路地裏を駆け抜けて…躓いてこけた目の前に…。


「汚らわしい下民が。私に近づかないで下さいな?」

「姉様を汚すことは私が絶対に許しません」


 その双子は俺を汚物を見るかの様な目で見た。路地裏の出来事だ


 そして俺の後ろを見て、さらに目を細めた。


「おっ、お前ら!鴨ねぎだっ!女が居るぜ!男を捕まえたヤツの順に味わって良いぞ!」


 その言葉を聞いた瞬間…。

 立ち上がれよ!俺の所為でこの2人が捕まるのは…絶対に許されない!

 十二歳の時だ。今でも覚えてる。


「俺だけを捕まえろぉぉおお!」


 今までの力を全て使え。魔法だって使っていい。どうせ俺はこいつらに殺される。

 なら…法律ぐらい犯したって構わないだろ!魔法を…町中で使っても良いだろ!


「はっ、格好付けやがって、やるぞ」



「…姉様、行きましょ…う?」

「いいえ。少し面白い物が見れそうですわ。見物するのも一興ですわ」


 左手を男達に向ける。


「おい!こいつ魔法陣持ちだ!気をつけろよ!」


 左手に力を込める。火炎の魔法陣。使うのは…初めてだ。


「魔法陣展開!火……」

「相殺させていただきます」


 振り返ると姉の方が右手と左手を変に組み合わせていた。


「町中で火を使うとはマヌケですわね。ダーナ、下餞共を生殺し程度で頼んでも良いかしら」

「……姉様が言うなら…そうします」

「いたぞ!挟み撃ちだ!」

「私は……後ろの下餞を狩っておきますわ」


 同時に姉が手を再び変に組み替える。


「廃沈しなさい」


 姉の手に魔法陣が浮かび上がる。そして姉に走り寄っていた男達が地面に崩れ落ちた。


「はっ……汚らわしい」

「姉様は相変わらず速いですね。もう魔法ではなく呪いの域です」

「ダーナもダーナよ。私は金の力で得た魔法よ」


 気がつけば妹の方も男達は崩れ落ちていた。

 複合魔法陣?手に魔法陣の断片を掘って組み合わせることで何種類もの魔法を使う…。しかも強力な。

 でも接続を誤れば途端に「死」。だから複合魔法陣はほとんど誰も掘らない。


「これ如きで驚くとはやはり下餞ですわね。」

「成長期に魔法陣掘ってどうすんだよ。しかも複合の!」

「何を切れているのか。貴方もそうでしょう。私は魔法陣の接続は間違えません」


 何者なんだ?こいつらは…?


「さて、無駄な時間を過ごしてしまいましたわね。ダーナ、行きましょう」

「えぇ、姉様がここに残ろうと言ったんですがね」

「あ……おい!ちょ、これどうするんだよ!」

「知りませんわ、それより助けてもらって礼もないとは」

「…あ…ありがとう…。ございます……」


 …俺はもうこの双子と出会うことなど無いと…思っていた。



^^^^

完結はしますが、その後、一度コンテストのために削除することを決定いたしました。

つまり期待しててください。十万文字まで引き延ばしてやります。見てておけ!





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