第4話(15)



「きゃぁぁぁぁあああああっ!」


 なんで……さっきみた悪夢がよみがえる。


 青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血青い血!


 気味悪がるそうに見られる。その視線。蔑む目。汚物をみるかのような目。馬鹿にした目。目、目、目、目。


「レイラ!?どうした!?」


 あと……同情する目。同じ気持ちに立って一緒に悲しむような顔をする。

 分かってないくせに。どうせ心の底で馬鹿にしてる、気味悪がってるくせに。

 ただの偽善のくせに…。『私は憐れんであげた』みたいな目。


「レイラ!?レイラ!?」


 この男もそうだ。結局同じ。だから信じてはいけない。


「そんな目を向けるなっ!」

「え…?レイラ?」

「あんたも同じ!知らないからそうやってるだけ!結局アイツらと一緒!」

「……」

「……っ!離しなさいよ!」


 いきなり抱きしめられる。気持ち悪い。ドキッて跳ねた胸が気持ち悪い。

 こんなやつに抱きしめられ心が跳ねるなんて……。


「俺はレイラがなんなのか知らない。年も名前も生まれも誕生日も好きな事も嫌いな食べ物も。

 でも…知らなくていい!だって!………」

「うっさい!どうせ知ったらそう言う顔する!」

「だってもうすぐ死ぬんだから!」


 一週間前、こいつは私に頼ってきた。私は…こいつに諦める道を見せた。

 その時私は自分に嘘を付いた。妄想の中の私で語ってた。

 『みんながみんな生きろという』誰も言ってない。逆に『死ね』と言う。

 寿命だって自分で過去文献から調べてるだけ。毎日調べてたけどもう二日もサボった。

 なんでこいつに嘘吐いたかなんて分かってる。


「私は!あんたを道連れにしたいだけ!みんな私を知ったら蔑む!

 だったら道連れにしてやりたいってだけ!結局一緒!」

「死ぬんだ!別になんだっていい!俺はレイラと生きるって決めたんだよ!」

「じゃあ……」


 この関係を崩したくない。何も知らないまま終わりたい。幸せなままが言い。

 でも…こうやって綺麗事並べるなら気味が悪いまま終わらせてやる。


「私は青い血なの!」

「ぁ……あ」


 ほらやっぱりそうだ…。こうやって驚いた顔して数秒後には私から離れる。これでいい。


「あぁ…ぁあおい…青い血がどうした!だからどうした!」

「適当なこと言うんじゃないわよ!本当よ!」

「だからどうしたっつってんだろ!」


 レイラが何を言ったか分かっている。"青い血"。呪い子?しらねぇ…。


「どうせ俺は死ぬ!正直俺が死ぬって分かってなかったら嫌がってたかも知れねぇよ!

 でも今の俺にとってレイラが青い血だろうが黄色かろうがどうでも良い!」

「道連れにしようとして私はあんたに死んでもいいって言った!

 『生きろ』なんて誰にも言われてない!」

「俺にどうするか選択肢を教えてくれた!それだけで十分だ!

 道連れなら俺が使う言葉だ!俺の方が寿命は短いしきっとレイラも一緒に殺される!」


 一緒にいたい。一緒に過ごしたい。


「一緒に…俺と一緒にいてくれ!それだけでいい!」


 レイラを落ち着かせるためのなのに怒鳴っていた。

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