第4話 (07)

{}小さな声…周りには聞こえてない


^^^^


「ポップコーン一緒に食べましょ!」

「そうだな。何味が良い?」

「リュートに任せる!う~楽しみ!」


 可愛い…。食べてもないのに既に目を溶かしてるし…。


「んぐっ。はぁはぁはぁ……美味しい…」

「じゃあここで待っててくれるか?買ってくるよ。行きたい方向とは逆方向だし」

「そう?ありがと、じゃあそこの石段に座ってるわ」

「おっけ~。すぐ帰ってくるから」


 彼カノみたいだな…って何ニヤついてるんだ俺は!

 自分の頬を叩いてピシッとするがすぐに頬が緩む…。って楽しく過ごす為のパートナーだってば!


「塩キャラメル一つ…」

「毎度ありにゃ~……大丈夫ですか…にゃ?凄い叩いた後が…にゃ…」


 いや、そこまで『にゃ』って言わなくていいから…。


「大丈夫です…。Lサイズをお願いします…蓋付きで…」

「りょ、了解にゃ……大丈夫かなぁ……」


 いや、呟いてるの聞こえてるから!あとそこまで大丈夫じゃない!


「し、塩キャラメルポップコーンLサイズにゃっ!各エリアに救護所があるからそこに行くといいにゃっ!」

「あ、ありがとうございます。千リル札丁度で」

「毎度ありにゃっ、よい一日をにゃ~……何があったんだろ……」


 キャラ崩壊~~!だめだろぉぉぉぉおおお!って待たせてるんだった走らねぇと。


「なぁ俺と行こうぜって!」

「や、止めて下さいって言ってるじゃないですか!」

「そんなこと言って~。こうやってナンパされるの待ってたんだろ?」


 わ~お…。ナンパか…。チッ……。


「止めて下さっ……!」

「止めましょうよ。嫌がってるじゃないですか」

「なっ!なんだよお前!」

「レイラの男です。それより…その手、放してもらえますか」


 な、何を言ってるんだ俺は!ここは『俺の女に手を出すな』とか『俺の女に手をだすな』とか他に言うことあっただろ!

 『俺の女に手を出すな』って!その方が格好良かっただろ!


「…チッ。はぁ!気分最悪だわ~!詰まんなっ!」

「…リュート…」

「ん?ってあっすまん!」


 慌てて掴んでいた手を放し、手汗を拭く。


「いや、別によかったんだけど…それよりありがと」

「あ、おう。で、でも『俺の女に手を出すな』って言った方がよかったなハハッ」

「あ……べ、別にいいけど…。{れ、『レイラの男』って言ってくれたし…}」

「ん?なんか言ったか?」

「あっ、なんでもない!ポップコーン食べましょ!」

「そ、そうだな!」


 雰囲気壊されたけどクヨクヨしてたら時間の無駄だ!よし!遊ぶぞ!


「お、美味しい……口の中で溶ける!」

「だなっ!俺が前に来たときより美味くなってる気がする!」

「すぐになくなりそう!あ、あそこのショー見に行きましょ!」

「おっけ~」


 幸せってこういうことを言うのかなぁ……じゃあ今までの人生何だったんだか……。

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