第4話 (06)

ーー翌朝ーー


「んぁ……なんだこれ……」


 目を開けると目の前には……レイラの顔?目が合って…徐々にレイラの顔に赤みが差した。


「え?……どうして……ここに?俺が…?」


 俺は確か自分の布団で寝てて……はっ……。撫でながら寝ちゃったんだ!


「ご、ごめん!き、昨日さ、レイラが魘されてたから……」


 ま、まずベットから降りて土下座を…お?

 手を掴まれても…困る…。そんな目で見られても…。


「知ってる。ありがと……」

「…ぐっ……と、とにかくごめん!か、顔洗ってくる!」


 手を振りほどいて洗面所に駆け込む。なんかレイラが言ってるのが聞こえた。なんて言ってるかは分からんけど…。




『別に居てもよかったのに……』


 自然と手がさっき……した唇に触れた。


ーー数刻後ーー


「今日はあそこに行きましょ!」

「そうだな~。テーマパークにするかぁ~」

「行ったことあるの?ネコ耳ランド」

「あ~…ま、まぁな。一回だけだけどな」


 確か……。2人と来たときに…。


『フルシュ。このネコ耳を付けて下さいな』

『この猫の尻尾もです』

『いやいやいや!その前にメリッサはそのベールを取って!ダーナはまず俺の前に立って!』


 で結局俺だけ付けたんだっけな…。めっちゃ気恥ずかしかった気がする…。


「……なんか憂いた目をしてるからノーコメントで。さ、行きましょ!」

「お、おう。そうだな。いざ夢の国へ!」

「レッツゴー!」


ーー数分後ーー


「リュート!これを付けるわよ!」

「えっ?付けるのか?」

「当然よ!ネコ耳ランドに来たら付けようってずっと思ってたの!」


 ネコ耳……。だからイヤな思い出しかないんだってば……まぁ…。


「イヤ?」

「い……イヤではない…。レイラが付けるのであれば……」

「じゃあつけましょ。これください」

「はい、ありがとうございますにゃ~。よい一日を~お過ごし下さいにゃー」


 会計を済ませて外に出るとすぐ立ち止まる。そしてレイラが俺を見た。

 ネコ耳を持って背伸びするレイラ。思わず目を瞑った。


「……?」


 ふにゅりとした柔らかい何かが触れた気がする。気のせいか?

 頭にネコ耳が付けられた。

 レイラの顔が何故が赤い。


「ありがと。顔赤いけどもしかして俺の美形に惚れた?」

「ち、違うわよ!それより付けてあげたんだから私にも付けてよ!」

「お、おう。わ、分かった」


 なんでこんなにムキになるんだ?っと付けてやらなきゃ…。

 目を瞑っているレイラ。

 結構清楚系な顔をしてるんだな…。プルンとした唇が…っといかんいかん!


 でもレイラに伸びる手が震える……。か、可愛すぎ…だろ……。


「早く付けてよ」

「あ、おう。す、すまん」


 これでお淑やかだったらな……。最高なんだが…。それだとアイデンティティを壊しちまうか。

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