第4話 (04)

ーー数分後ーー


「高級ホテルー!」

「すげぇな!こんなふうになってるとは!」


 十分も歩けば第二研究室(兼宿舎)にいけるけど二十分歩いて高級ホテルに泊まるのもいいよな~。


「すごい!泡が出てる!」

「この風呂最高だな!後でいっ……。なんでもない!」


 うわっ!はしゃいで子供みたいになってた!そのくせで!い、今……俺…。


「…っ…。変態………」


 すぐ顔を真っ赤にさせたレイラがジトメで睨んでくる…。くぅ……。か、かわ…。違う!


「こ、これは……。む、昔の癖で……」

「昔の癖?」

「ふ、双子の顔が見たくて……言ってたりしてたんだ……」

「………。入らなくもないわ。でもそう言うのは純愛が良いの」


 くっそ……。惑わせるようなこと言いやがって…。誘惑か?いや、からかってるんだ。


「さてと……じゃあレディはお先にどうぞ」

「そ…。ありがと…あっ…べ、別に入ってきても良いわよ」


 ぐっ……完全にからかわれてる…。くそ……。


「じゃ、お先に失礼~」


 バタン。って扉が閉まったけど……困る。

 ゆ、誘惑されているのかもしれない…。ここで行かねば男じゃな…。俺は何を考えているんだ!


「はぁはぁはぁはぁ……」


 気付けば壁に頭をうちつけていた。


「落ち着け……楽しく過ごすパートナーなんだ…。気まずくなってどうする…」


ーーーー


「はぁ~。気持ちよかった。お待たせ」

「…あぁ…。入らせてもらうよ…」

「えぇ……え?リュート!どうしたの?額から血が……」

「そうか…?ほんとだ。まぁ大丈夫だ」


 血が出るまで打ち付けてたか……。


「うわっ!なんでここの壁へこんでるの!?って血が付いてるし!」


 あぁ…それ多分俺だ…。バスルームの扉を閉めた。


ーーーー


「うぅ~…気持ちいい……。最高だな~この風呂」


 泡が体に当たって弾ける。最高だ…。


「ねぇ、今いい?」

「な、なんだ?」


 なんだ…。あるあるの『風呂に突入してきました!』ってやつか?


「多分そこに私の服が置かれてる筈なんだけど」

「んぁ?」

「籠の中にあると思うんだけど取ってくれる?」

「分かった。ちょっと待っててくれ」


 これか。っとバスタオルで体は隠して……っ。


「見つけた?」

「お、おう。み、見つけたぞ」


 ぴ、ピンク色の何かが見えたのは気のせいだよな。


「これでいいか?」

「えぇ、ありがと。もしかして見た?」

「なっ……み、見てねぇよ!」

「そ、まぁ見ても減る物じゃないけど」


 くっ……。とか言いながら籠を隠すんじゃねぇよ!


「さ、寒いから俺戻るぞ」

「そ、ありがとね。感謝感謝~」


 くそっ……。でもなんで俺が風呂に入ってる状況で脱いだ服が必要だったんだ…?

 後で取りに来れば良かったのでは?あれ?

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