第3話

ーー数刻後ーー


「なぁ!レイラ!」

「あら、リュートいらっしゃい」


金髪の彼女が振り向く。心が落ち着く…。


「どうすれば!」

「どうすればって知らないよ。私が出来るのは話を聞くことだけ」

「1週間待ってもらえたんだ…。でも選ぶなんて出来ない」


レイラは俺の目の前に紅茶を置いてソファーに座った。


「そう。それで?」

「どうすれば…。何か策が…あつっ…」


目の前の紅茶に口を付ける。熱くて…それを熱いと感じる自分に腹が立つ。

こんなに虚しくて葛藤しているのに…。


「…そもそも。二人と結婚したい?」


未だに葛藤を抱える自分に腹が立つ。その時間があるなら他の事を考えろよ!


「ねぇ、その二人と結婚したいわけ?」

「うるさい!」


イライラをレイラにぶつけてしまう自分に腹が立つ


「…リュート!」

「はっ…。あ…ごめん…八つ当たりしてた…」

「別にいい。それよりも…二人と結婚したいの?」


その言葉は…俺の心臓を強く叩いた。

鼓動が速くなる。


「し…したい…。メリッサもダーナも…。俺に好意を抱いてくれてるから…」

「ほんとに?本当に好き?結婚したい?」

「……」


胸が破裂して…血が溢れそうで…いっそのこと破裂して死んじまいてぇ。


「どう?」

「俺は…二人が…す…」

「す?」


メリッサは俺が風邪を引いたときずっと横で手を握ってくれた…。

ダーナは欲しいって言ったものを持ってきてくれた…。凄く心配してくれてた…。


「す…き…」


他にも魅力的な所が思い浮かぶ。


「すき…だ…」


好きだ。俺は二人が大好きだ…。


「そう…」

「でも結婚したくない!」


さっきの事が脳裏に映る。選ばなきゃ殺す?俺は死にたくない。

それ以上に仲のいい…双子が殺し合うのは見たくない…。


「そう。じゃあ…」


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