第11話 こーちゃんの涙。

誰かがレイプされた僕を馬鹿にしている。人間なんてクソだ。早く、早く自宅に帰らないと。あの哀れなひよこに当たり散らさないとどうにも気がおさまらない。何度もあいつは心配して携帯の着信を鳴らしてる。僕は最低だ。どうしてやろうか。


家についた。僕が愛する小さなひよこ。なぜいくらなじられても、どんなに裏切られてもこのひよこは待っているんだ。これは、僕だけのものだ。


こーちゃんお帰りなさい!


彼女の瞳はいつもつぶらだ。彼女は小さい、身体も、心はもっともっと。僕は彼女に憎しみであたる。普通の女なら逆らうのに、彼女は悲しんで、謝るだけだ。僕は、その涙に救われる。いつだって。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る