第6話 それはつぶらな花のような

哀れな飼いひよこであるぽっぽ君は、散歩中につぶらな花を見つけた。ぽっぽ君は根本ごとつぶらな花を引っこ抜き、自宅に飾ろうと思った。その日は雨が降っていたので、ふきのとうで簡単な傘を作り、ぽっぽ君は帰ろうと思った。

激しくなった雨の中、こーちゃんが仕事帰りに傘を持ってやって来た。ぽっぽくんは嬉しさのあまり、傘を持ってくるりと一回転した。君はそのつぶらな花のようだな。と、こーちゃんはひとりごちた。ずぶ濡れになりながら、ぽっぽ君とこーちゃんは腕を繋いで、世界とともに回り出す。


雨が明けてくると、こーちゃんは自宅の庭で、散水ホースを回すと太陽の後ろ側に虹ができた。ほら触ってごらんよ。ぽっぽ君は虹を潜ろうとしている。はは。君もずぶ濡れだな。


今日の夜もぽっぽくんはベットのお気に入りのぬいぐるみに囲まれ、こーちゃんのお胸にこすりこすりし、暖かい体温で眠ってしまった。

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