第5話 ぽっぽ君とこーちゃんの日常 その2

哀れな飼いひよこであるぽっぽ君は昼まで眠っている。

こーちゃんが起こすと、小さな、つぶらなまぶたを、こすこすりして起きた。いいからさっさと朝飯を作れ!俺はずっと待ってたんだよ!と眉間に皺を寄せ、怒りくるうこーちゃんにびびったぽっぽ君は、シャツにネクタイをよいしょよいしょと巻いてから、クロワッサンにバターを載せ、焼き、目玉焼きを作り、タコさんウインナーを作り、うさぎのりんごと、三つ葉入りの味噌汁を作った。ぽっぽ君はこの程度だからなあ。どう見ても美味しいのに、こーちゃんは過大な要求をする。僕の昔のハニーは・・・といつものプリクラを撮り、挨拶がすごいとか、どう考えても大学レベルの知見とは言えない、どうでもいい元カノの話をし出した。ぽっぽ君はがんばるよ、こーちゃん、こーちゃんはそばにいるだけでいいの。とこーちゃんのお腹に頭をこすりこすりした。いいからお前は絵本でも読んで、夕飯の支度でもしておけ!こーちゃんがトイレに行こうとすると、ぽっぽ君はぴったりと後を付けにいく。こーちゃんは本当は可愛いと思ってるくせにいい加減にしろ!とぽっぽ君に罵倒を浴びせた。ぽっぽ君は落ち込んで、またベットの上でスースー寝てしまった。


ぽっぽ君が目覚めるとすでに夕方だった。ぽっぽ君は絵本を読み、ひよこがうんちをするおもちゃを工作で作った。こーちゃんが帰ってくると、よいしょよいしょとネクタイをシャツに巻いて、急いで夕飯を作り出した。ぽっぽ君はこーちゃんの好物の肉じゃが、鹿肉カレー、行者にんにくの天ぷら、白菜のサラダ、もやしとレタスの上に小エビを乗せ、シーザードレッシングをかけたカクテルサラダ、オハウ、どんぐりのクッキーを作った。こーちゃんはアイヌの人より美味しくないな。これだからぽっぽ君はハニーと比べると。昔のハニーの飯はどう考えてもありきたりかつパクリでまずいのに、こーちゃんは駄目だしをするのであった。もっと頑張るよ。ごめんね。こーちゃん。2人はダブルベットで、ぽっぽ君はこーちゃんの背中にしがみつきながら眠った。

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