路傍

路傍で見た鳥の残骸は、

「かつて」、であった羽毛を春風に震わせ、

折柄、桜の花びらが一枚、

そこに引っ掛かっている。

共に逝こうと強いられているようだった。


もう飛ぶ必要はないね。


僕はその横を通りすぎた。

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雑詩棚 帰鳥舎人 @kichosha-pen

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