狂い泣け相棒よ3

<戦いから数時間後>


酣:……まだ、目が覚める気配はありません…主様。


イド:逝っとらんなら今は…ゆっくり寝かせい。


酣:……日向様…正気に戻りますかね。薬を飲まされたようですが……


イド:………もし戻らんなら…わしが…


日向:……うっ…?ここは…………?(誰も居ない………私は一体何を……。思い出せないとは…)


音無:日向さん!大丈夫ですか!?あ、主を呼んでこないと…(慌てて走り去る)


日向:……………あれは……っ!(思い出した…近衛の…………手下…!長は確かに仕留めたはずですが……)


(得物を持つと音無の後を追って部屋を出た)


音無:主!日向さんの目が覚めました………っ…?


(日向は報告中の音無を切り捨て、イドに切っ先を向けている)


酣:……日向様…やはり戻らなかったようですね………


イド:(………何ぞ、無いか?わしが逝った時…確かに涙を流したやろ?あれでは不十分………もう一押し……)


酣:……主様、避けてください!


(イドは攻撃を避けようともせず、心臓を一突きされてしまった。)


イド:………日向。わしを刺して目が醒めるなら………この命、喜んでくれてやる。今更死を躊躇うつもりはない…おまんに介錯されるんなら、本望よ。


演技は抜きじゃ……わしの死にゆく様を見届けい。


日向:……あ……………っ…(頭が…割れそうだ……!どうして………)


(得物を手放すと頭を抱え膝から崩れ落ちる。イドは傷口から得物を抜き放つと投げ棄て、そのまましゃがむと日向を抱きしめた)


イド:逃げるな……!最期の瞬間迄………己がしたことに…向き合えい!


人を殺めるとは……そういうもんじゃ!傷付けて終わりとちゃうで!


(その直後…イドの身体から力が抜け、日向もろとも倒れてしまった。少しずつ……動かなくなっていくイドの身体。ついにそれは亡骸となった)


日向:……い………ど……?

私は…………何て事を………

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うちの子クロスオーバー2 限前零 @rieru_sai

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