優しい嘘3

(イドが死亡した直後、音無は違和感を覚えた)


音無:(……うっ。俺の力が弱まった……っ。まさか主は……?)


日向:……どうかしましたか、音無さん?


音無:……………いえ。(酣姉さん…分かってて止めなかったのかな……。それにしても、あんまりだよ…全て終わって戻ってきたら…日向さん、泣きますよ………?)


日向:……急ぎましょう。後は首謀者だけ……!絶対…許しません……


音無:………はい!(俺達も、恨まれるな………ごめんなさい、日向さん…)


(敵を一掃し終わって、日向と音無はイドの元に帰ってきた)


音無:………主!


日向:イド!戻りましたよ………!


(イドはまるで眠っているかのような表情だ。四肢が無いことを除けば呑気にうたた寝しているようだが…)


日向:(………!呼吸が、止まっている…まさか………。)


(日向は首筋に触れた瞬間、全てを悟った。僅かにだが…死後硬直し始めていた。それに……表皮体温も下がっている。明らかに演技のそれではない。)


音無:………日向さん……まさか主は?


(日向は問いかけに答えることができず、イドの亡骸に覆い被さって泣いていた……)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る