優しい嘘2

<数刻後…日向突入、再会>


日向:何処ですか、イド!返事をしてください!


敵:ずいぶん遅れた登場だな。貴様の相方ならとっくに逝ってしまったかもしれんぞ?


日向:……!?一体、イドに何をしたのですか!


(敵は歪んだ笑みを浮かべ、奥の部屋を顎で指す)


敵:………くくっ。その目で確かめてきたらどうだ、貴様は曲がりなりにも"お医者様"なのだろう?


……嫌でも絶望に伏すだろうがな。


(日向は敵を省みる事もなく相方の元に急いだ。たどり着いたそこには……四肢切断状態で放置されたイドの姿があった。夥しい出血量で、思わず息を飲む程に。)


日向:……い………イド?どうして………


イド:すまんの、日向…。策に嵌められたんや。人斬りが…このザマとはヤキが回ったわい。


(日向はここが敵地であることも忘れ、イドに駆け寄った。)


日向:……ひ、酷い……っ!(とっくに致死量を上回る出血…どうして生きているのか分からないほど……)


イド:………のぅ、日向よ。わしん事は後でかまん。


日向:……何を言っているのですか!?このまま放置するといくら貴方でも……


イド:忘れたか?ここは敵地の真っ只中やど。手負いのわしに構っとったらおまんまで危険になる!


頼む日向………先に仇を取ってくれ。音無と協力して………。


日向:(出血量に反して意識もはっきりしている…。イドの申し出を受けても間に合うかもしれませんね)


………分かりました。すぐ戻ります、どうか………


イド:………おう。待っちょるけ。


(日向は音無を連れ、先に敵を一掃するべく飛び出していった)


………ふっ……間に合うた、か。


さらばじゃ………日向………

わしの…相棒よ………


(日向を見送った後、イドは死亡した。正確には既に生命活動は停止していたが、不意の極みで持ちこたえていただけだ)


酣:……主様…っ。私がついていながら………

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