わんこ君と零3

(零は人気のない部屋に駆け込んだ。痛みからなのか、冷や汗が止まらないようだ……)


零:はぁ……はぁ…………っ。ご主人様………?ごめん、なさい…


僕は、どうして………ここにいるんだろう。何で誰も……罰してくれないんですか……

(罰してくれた方がいっそ楽なのに…)


(狼は密かに物陰から零の声を聞いていた)


狼:(…………罰してくれた方がいっそ楽なのに、か。慣れとは恐ろしいものだ、迫害され続けたせいで…対等に振る舞われると耐えられないのだろう。

もう少し…情報が知りたい。確か、人間が面倒を見ていたっけな…)


(狼はその場を立ち去ると日向の元を訪れた。零の事を聞くためだ)


狼:(おい、人間。お前があの人の子の面倒を見ていたのだろう……奴について聞かせろ。)


日向:え、ええ…別に構わないですが…(珍しいですね、彼が他者の事を知りたがるなんて。リエルに引き続き二人目ですね。)

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