百合剣の名前

百合の剣、どこだろう。自分の名を確信してから真っ先に思ったのはそれだ。


「リリー?どうしたの?」


「かーさま・・・、夢の中で見た百合の剣。リリー、それを探してるの。」


「まぁ・・・剣を夢で・・・。リリー、ちょっと待っていてね。」


「はい。」


レイピア。ゆりのレイピア。白色の柄に銀色の刀身。鍔から伸びる白色の百合。鞘は白薔薇で恐らくダイヤモンドが散りばめられていた。そして・・・


【Lily white rose】


私の名。綺麗な装飾だった。


突如、扉が乱暴に開け放たれた。ダークブラウンの髪の毛のとーさまだ。


「とーさま?」


「ゆりの、剣を見たのは本当か?」


「はい。ほんとうです。とっても綺麗でした。」


「・・・リリー、キャルロット。急遽大神殿へ行くぞ!」


キャルロットはカーさまのお名前。でもなぜ大神殿なのだろう?


「ええ分かってますわあなた!この子は・・・もしかしたら・・・」


なにか難しいことを話しているかーさまにとーさま。

よく分からないままお出かけ着に着せられて馬車へ押し込められた。・・・剣。あれ、なんていう剣なんだろう。百合の剣。・・・?もしかして自分でつけるのかしら。


【Spirit】


スピリット。精霊。何となくそんな感じがした。どこか神聖さを感じる剣だし。


『スピリット・レイピア』


こんなんで出てきたらうれしーなーって思ってたら、目の前が光って・・・両手に少し重い感覚。

目を開けたら両手にスピリット・レイピアが乗っていた。

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