ひっぱたかれる神様2

楓:おーなーかーいーたーいー!薬忘れてくるとかマジで最悪なんだけど……


(寝床の上でお腹を押さえて悶絶している)


うう……黒之主はしつこいしデリカシー無さすぎ。これだから男はやなのよ………


てかここって人間の女の子居ないからちょーアウェイじゃん……はあ。


日向:失礼、楓さん…酷い顔色ですけど大丈夫ですか?


楓:う、別に大丈夫です……(はあ、日向さんもか……鬱陶しいから早くどっかいってくれないかな……)


日向:そうですか。くれぐれも我慢はし過ぎないでくださいね?


(薬を渡すと、深入りせずにそのまま立ち去る)


楓:(え………これって、痛み止め?なんで日向さんが………。まさか黒之主?でもあのわからず屋がそんな事……あるわけないよね。

でも、助かった……痛くて寝てられないもん…)


(楓は薬を飲むと一人で眠った。)


(………ごめん、黒之主…平手はさすがに………やり過ぎた、かも…

……起きたら、ちゃんと謝らなきゃ…ね)


(いつに間にか戻ってきた黒之主は日向と共に部屋の外から様子を伺っている。)


黒之主:………ほぅ。やっと大人しくなったか…。つまり痛みも治まったということなのか?


日向:いえ、まだ…だと思います。個人差があるのでもう数日はこのままかと。


黒之主:……分かった、我はもう数日出かける。またひっぱたかれてもつまらぬからな………


日向:黒之主さん。そっとしてあげてくださいとは申し上げましたけど…そこまで避ける必要は無いんですよ?


黒之主:どういう事だ。本質は一緒だろう?


日向:私が申し上げたかったのは…"その話題"には触れないようにという意味です。


むしろしんどい時には大事な人が側に居てもらった方が安心できると言われています。


黒之主:ふっ………大事な人が側に……か。ならば尚更我が側に居る必要は無いらしい。


日向:黒之主さん……?


黒之主:我が側に居ても安心などしておらぬだろうな……所詮神と人間が馴れ合うなど夢物語だ。


日向:(気付いていないんですか、黒之主さん。人間というものは大して好きでもない人の名前を呼ぶ事はほとんど無いんですよ。それに……)


この前仰ってましたよね、心配しなかったら拗ねる……って。例え事情を知らなくても、側に居て欲しい……という気持ちの現れなのではないでしょうか。


………あくまでも、私の考えですが。では、私はこれで失礼しますね。


(日向は黒之主を残してその場を後にした)


黒之主:………人間というものは、よく分からぬ。面妖な存在だ。


(楓の隣に座るが背を背けているようだ、遠慮しているのかあるいは…)

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