言わせたい台詞

<風が冷たいですね>

貴方を抱き締めたいです

<今日は少し肌寒いですね>

手を繋いでください



ウェパール:………あのね、風が冷たいね?肌寒い。


(日向は一瞥するとため息を吐いた)


日向:そうですか、なら長袖を羽織りなさい。


ウェパール:………あのね、つれない。


日向:そもそもこの気温で(現在12度)半袖な上に、鼻水を垂らしながらその台詞を言われても……"そうですか"としか言えません。


卯月:……ウェパール、おいでなさい、私が抱いて差し上げますよ。こんな"いけず"な人は放っておいて。


ウェパール:………うん!


(嬉しそうに抱きついた)


卯月:…しかし何故半袖なのです?そんな酷い顔色になるなら服を着なさい。


日向:正直、ウェパールが長袖を羽織っている様はあまり見ませんね…こだわりでもあるんですか?


ウェパール:あのね、袖は着るよ?(取り出したのはアームウォーマーだ………)


日向:そ、袖…?(卯月、袖って単品で着用するものでしたっけ…)


卯月:…斬新過ぎます。(そんな訳無いでしょうが。あくまで補助であって服の代わり足り得ませんよ)


日向:意地でも長袖は羽織らないおつもりですか…


ウェパール:僕は風の子だもん!だいじょぶなの!


(直後に盛大なくしゃみが出た)


卯月:人の子が無茶するものじゃありませんよ。それとも風邪を引いて注射を打たれたいのなら御自由に。


ウェパール:………!?あのね、やだ!


(注射という単語に反応し、慌てて逃げていった)


日向:(……ウェパールにとってそれはある意味ご褒美のような気が…)


卯月:………日向?何ですか、その微妙な表情は。


日向:いえ…別に。結局理由は分からずじまい、かと。

(そうは言いましたけど、何となく分かりました。多分構って欲しくて無茶してたのでしょう。

彼の場合、風邪をひくのも織り込み済なのでしょうね…本当に、素直になれない性分とは辛いです。)


卯月:…まあ良いでしょう。風邪を引いたらお仕置きするだけですし。


(悪どい笑みを浮かべた)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る