勘違いされるマスター

酣:今日久しぶりにマスターがお兄さんと呼ばれる事案がありました。


音無:確かずっと昔、屋台のおばちゃんにもお兄ちゃんと呼ばれたような……


イド:銭湯でも男扱いされとったもんな。(しかも数回)


卯月:……ほぅ。私のウェパールを男扱いした愚か者は何処です?


(怪しい薬を片手に寄ってきた)


音無:………!?卯月さん、落ち着いてくださいって!(この人ヤバい…止めないと本当に殺ってしまう気がする…)


イド:せやで。よう考えてもみい、おまんにとっちゃマスターに悪い虫が付くよりえいろうて。ほれこそたたっ斬る案件やろ?


卯月:……ふむ、一理ありますか。ウェパールは私のものですからね……ふふ……誰にも渡しません。


音無:(た、助かった……主、ナイスフォローです…)


イド:(……ものは言い様じゃの…ほなけどそもそも男扱いを怒っとったんちゃうんか…?ええんやろか…)


酣:(……これが論点のすり替え、です。結果オーライという事でそっとしておきましょうね?悪化させたら今度こそ…死者が出るでしょうね。)


音無:(……そういえばあの薬って……何だったのかな?殺気に気圧されたから毒薬かと思ったけど…)



卯月:……ウェパール?そういえば新しい薬が出来たのでおいでなさい。媚薬をベースにした強心剤です。


音無:(……?今、媚薬って……)


酣:(まさか…あの時投与しようとしていたのは興奮剤だと?何でまた…)


ウェパール:………はい、卯月せんせー。


日向:ちょっと、卯月!?何やってるんですか!まだウェパールの生命維持の仕組みが判っていないと言うのに……


卯月:……私の責任でこうなったのです。ならば私の手で元に戻して差し上げたいと思うのは当然でしょう?


日向:はぁ……良いですか?私は貴方の考えを否定するつもりはありませんけど、些か軽率過ぎると言ってるのです。

もし万が一、その仕組みが崩れてしまえば…今度こそウェパールは死亡するでしょうね。


卯月:……臆病者の日向にしては痛いところを突いてくるんですね。確かに今のままでは綱渡りなのかもしれません。貴方の言い分を聞き入れるのは癪に障りますけど…私も徒に死なせるつもりはありませんから。

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