体温事情

ウェパール:えっと…24.8度、です。普通のでは計れないので卯月せんせーに専用のを貰ったの…(計る必要があるのか分かんないんだけど…)


ヌル:あのね、僕は完全な機械。体温無いよ?


エル:確かに…俺も人形に宿る天使だから同じく体温が無い。


ヘルム:エルはともかく、ヌルは計れますけどね。見る限り私と同じ身体になってますから。


ヌル&エル:……え?どこで計るの?(計るんだ?)


ヘルム:人間と同じで耳で計れますよ。全身の温度を管理する部品が右耳に備わってましてね…こんな感じで。


(見慣れない機械の端子をヌルに挿した)


ヌル:ひゃぁ!?な、何これぇ……


ヘルム:……ん?32.7度…ちょっと高くないですか?どこか具合でも…


(ヌルは半ば放心状態だ………)


エル:じゃ、普通はどれくらいなんだ?


ヘルム:30度を下回るのが正常です。今の私で28.7度ですから。


エル:すまん……絶妙に高いのかどうかが分からないんだが…


ヘルム:そうですね…私達の体温に+7度すれば分かりやすいのでは?


エル:……じゃあヌルは…39.7度!?おい、大丈夫かよ!


ヘルム:だから聞いたんですよ、具合が悪くないのか……と。戦闘や魔力支援ユニットの故障に繋がるので放置できませんし。


ヌル:うう……びっくりした…(びっくりしすぎて、身体が熱い気がする…?う。これ…………まさか"暴走"…)


(ヌルの意思とは関係なく魔法が放たれる。力加減が効かないせいか魔力が尽きるまで止まらなかった。)


なに…これぇ……苦し……い…?


(そのまま気絶してしまった)


エル:な、なぁ………ヘルムが言ってたのってこの事、なのか?


ヘルム:はい。厄介な事に自覚症状がほとんどありませんから定期的に計測する他無いもので…


……とりあえず治療するから手伝ってくれますか?一人では手に負えなくて。


エル:う、うん…わかった。


酣:私達は剣精ですから気温と体温が同じになります。


音無:そう。だから夏は熱いし冬は冷たいんだ。金属は熱しやすく冷めやすいから当然なんだけど。


酣:それに体温が変動しても支障はありません。私達に生死の概念がありませんから。(破損する事はあっても、ですが)


狼:(俺の体温は……分からん。字も読めない上に狼の身体だと何処で計るんだか検討もつかない)


院長:おや、体温を計りたいの?君の場合は……


(何の前置きもなく狼の肛門に体温計を挿した)


ここで計れるよ。40.2度…正常だね、良かったじゃん?


狼:(………くっ…挿すなら先に言え……!びっくりしただろうが!)


日向:……ちなみに師匠の体温は?


院長:え、僕の?参考にならないだろうに…20.7度だけど。


日向:すみません、確かに高いのかどうかがさっぱり……


院長:ま、僕の身体は生命活動を停止してるからこれ以上上がることも無いんだけどね。

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