源流4
イド:(あれからどんだけ経ったんか知らんが…まだ動けんか………"不意の極み"も効かん…胸がふたふたするのぅ…)
日向:おはようございます。さすがにまだ顔色が優れませんね。
イド:(な……!?医者っちゅーけ、ちゃう奴思たがな……ほなけど…救われたんも事実か…)
おまんがわしを連れ戻してくれたんか。……おおきにの。何でか知らんがなんちゃ動けんのじゃ。
日向:礼には及びませんよ。動けないのは出血の影響や麻痺攻撃のせいですね。応急処置はしましたけど………それでも当分の間動けないと思ってください。
イド:わーった。不覚をとったわしも悪い。大人しゅうするが。(ほうか…ありゃ、麻痺で動けなんだんか。侮れんやっちゃやな…)
日向:(しかし…一瞬驚いた顔をした以外、私について聞いたり抵抗しようとしないんですね…不思議です。)なので…もう少し休んでから、私の本拠地へおいでください。……その、患者を途中で見捨てるつもりもありませんし…何よりまだ予断を許さない状況ですから。
イド:(ほならそのまま連行すりゃ良かったんちゃうか?まっこと変なやっちゃな…)……わーった。従うが。
(村の者は…知らんのか、こいたぁの正体を。諜報の偉い手じゃと…チアルやその息子にとっちゃ避けるべきやっちゃが……。失敗じゃな…接触を許さん為に伏せとったに。想定外っちゅーほかないのう。
じゃが…チアルが無事っちゅーと……こいたぁは手、出さなんだってか?聞かれとらんならええが…)
チアル:失礼します。イドさん、これを。(枕元に水差しを置くと立ち去った)
イド:お、おう…おおきにの。
日向:飲まないのですか?
イド:必要があらへん。"今は"な。
日向:(今は……?ただの水差しでは無いんでしょうか。それとも人前で飲食しないのでしょうか……)
(突然イドは身体を起こすと、何も言わず外へ出ていった。ややおぼつかない動きだ。)
日向:ちょ、ちょっと……待ってください!一体、その身体で何処に…
イド:別にわしゃ、逃げも隠れもせえへんが。気になるんじゃったらついてこい。
(日向を一瞥すると村の外へ歩き出す)
(止めたって無駄じゃろけ、そのまま来さしたが…偉い手の前で反逆者をはりまわすんは……ええんか?あるいは…本性見たり、か)
日向:(村の外に、一体何が…?そもそも私がついていって大丈夫なのも不思議と言いますか…伏せたいのかそうじゃないのか…)
イド:ちょい待ち。物陰に隠れい、早よ!
日向:……えっ…!?ちょっと!
(何かに気付いたイドに物陰へと引っ張りこまれた日向。理解が追い付かず混乱している)
イド:(静かにせぇ……バレるが)
日向:(バレるって…一体誰に…?)
(街道を二人の男が歩いており、イドはそちらを睨み据えている…)
日向:(あの人影…見覚えがあります。イドにとっちめられた二人…ですから。まさか彼等から逃げて……?)
男1:なぁ。あれから3日経つが何か聴いたか?今んとこお咎めは無いが…
男2:いや、何も。あの野郎と相討ちにでもなったか?諜報の長も…案外大したことねーな。
男1:まさか俺等が近衛の手下とは思わなかったか。諜報を貶める工作員だと……
男2:ひひ…ま、強姦は趣味だがな!部下を信じすぎるお人好しで助かったぜ!
日向:(強姦……ですって?それに近衛部隊の工作員とは………何がどうなって…)
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