源流3

イド:一速。夢幻-儚-!


日向:(確かに早いですが…まだまだですね!)震雷!


(イドの技を避けると、首筋に峰打ちを喰らわせた)


イド:……くっ……!


(首筋を押さえると距離をとる)


なかなか…やりよるわい…。


日向:(この方、私の震雷を受けながら倒れない?そんな事が…)


酣:(主様?様子が変です…身体が…)


イド:(まずいのぅ。喰ろたせいか…のうが…悪い………?早よ決めな…敗ける……)


(イドは酣を仕舞うと音無を引き抜く。その間にも少しずつ、身体が動かなくなる。)


イド:に…二速……背面刀技!


(辛うじて技を放つが、動きが鈍り避けられてしまう。


そのままイドは地面に膝をついてしまった。間が悪い事に、古傷が開いてしまい体力を削られてしまったらしい)


イド:このわしが……敗けた…か……ふっ…好きに……せぇ…


(そのまま倒れてしまう)


日向:(脇腹と背中から血が……?私が食らわせた訳ではないのですけど…。せめて、連行する前に応急処置だけは済ませましょうか。情報収集も兼ねて…)


(日向はイドを抱えると、そのままイドが根城にしていた村へ向かった)


……すみません、部屋をお借りできませんか?怪我人の手当てをしたいのですが。


女将:……!?イドさんじゃないですか!どうぞ、何処でもお使いください。


日向:ありがとうございます。彼のお知り合いなのですか?


女将:この村では、知らぬ人は居ませんよ。悪人に襲われないのは…イドさんのお陰ですし。

それで……何があったんですか?大丈夫なのですか?


日向:詳しくは私も存じません。ただ……街道で血を流して倒れていたのを見付けただけで。

とはいえ…傷の具合からすれば、命に別状は無いでしょう。


女将:そう、ですか……この村ではお医者様がいらっしゃらないのでどうしようかと…


日向:あ、ご安心を。彼の事は私が診ますよ、こう見えても医者ですからね。


女将:よ、良かったです。差し出がましいとは思いますが…もう一人、お願いしたい人が……


日向:分かりました。後で連れてきてください。


イド:(ここは……何処じゃ…?村の…宿屋に……似とる…?)


チアル:イドさん!目が…覚めたんですね?良かった……


イド:おまんは…酒屋の………?なんでわしゃ、此処に居るんじゃ…


チアル:なんでも…通りすがりのお医者様が連れ帰ってくれたんですって。森で倒れてたって…


イド:(連れ戻したんは医者じゃと?ならあいたぁは…わしを見逃して去ったんか?拿捕するっちゅーたが…)……ほうか…そいたぁ何処におんね?礼を言わんとな…


チアル:確か隣にいらっしゃったはず…お呼びしてきます。


イド:ちょい待ち。序にいつものくれんか?飲んでもうたけ。


チアル:分かりましたけど………今は飲まない方が…


イド:わーっとる。念のため…じゃけ。


チアル:では、私はこれで。

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