源流1

男1:よぅ。姉さんよ…こっち来いよ!


(子連れの女性の腕を掴む)


チアル:きゃっ!?離してください!


男2:俺達さ、政府諜報部隊の人間なのよ。ひひ……"逆らったらどうなるか"……解るよな?


ガレス:止めろ!母さんに手を出すな!


男1:うるせえぞクソガキ!


(ガレスに蹴りを食らわせた)


ガレス:ううっ………ちく………しょう……(誰か…助けて……)


男2:ひゃははは!口だけかよ!ガキんちょは指咥えて見てろよ。"目の前で為す統べなく…お前の母さんが犯される"様をな。


イド:(何ぞ…争いか?頭数は4人。若い兄やんとそれより年上の姉やん…残りは……同いか。)

…………何しょんじゃ、おまんらは。


男2:あ?誰だテメーは。雑魚はとっとと失せな。


男1:そうだそうだ。痛い目をみたくなけりゃ首突っ込むんじゃねーよ!


イド:へごの雑兵風情が。痛い目見んのは…おまんらじゃ、たわけが。


男2:んだと?聞き捨てならねーな。


男1:俺等が"誰か"…知ってんのか?


イド:知らん。雑兵風情に興味もあらへんがな。


チアル:お願い、イドさん…逆らってはダメ………この人たちは、政府諜報部隊の人間…。逆らったらいくらイドさんでも…消されてしまいます……!


イド:政府……諜報…………?ほれが何じゃ。権力を振りかざし弱いもん虐めするようなへごの集い、屈する必要なんぞあらへん。


男1:さっきから黙って言わせてりゃ、好き勝手言いやがって……!


男2:お望み通り、痛い目見せてやるか。正義を俺等に振りかざしたこと…後悔しろ!


(二人は刀を抜くとまとめて襲い掛かってきた)


イド:とろい。初速……夢幻-儚-。


(酣を引き抜き雑作もなく返り討ちにした。)


男1:ちくしょう!二度と表を歩けなくしてやる!


男2:に、逃げられると思うなよ!


(足早に去っていった)


チアル:あ…ありがとうございます、イドさん………私達の為に、諜報を敵に回させてしまって……


イド:かまへん。もとよりわしゃ影に生きる輩。今更諜報ごとき、敵に回ろうが変わらへんねや。

……ほな、村戻るか。兄やんも動けんじゃろし、ついてくが。


(三名は村の宿屋に戻ってきた)


イド:おう、女将や!手伝うてくれんか?酒屋ん所の姉やんが襲われてん。


女将:あらあら…穏やかじゃありませんね。大丈夫ですか、チアル様?


チアル:わ、私は大丈夫ですが…息子のガレスが…


イド:お?その兄やんって息子かいな!


チアル:ええ。私を庇おうとして蹴りを入れられてしまって…


イド:ちゅー訳で、手当てしたってくれんでか。ここいら医者も居らんでな…


女将:なるほど。承知しました。チアル様は…如何なさいましょうか。


イド:側に居らしたれ。旦那にゃ調達序にわしが言うとっちゃーが。ほれと…わしゃしばらく村を空けるで。


女将:そうですか。どうかお気をつけて。


(イドは宿屋を後にすると酒屋を訪れた)


イド:大将、いつものくれんか?


ベレク:ほいよ。どうした、また"任務"か?


イド:大将ん所の姉やんと息子が…諜報の輩に目付けられての。後で宿屋に様子見に行ったってくれ。

………何、もう輩の狙いはわしじゃけ心配はあらへんが………


ベレク:なんだと!?こうしちゃいられねぇ…俺は失礼する。……ありがとよ、教えてくれて。


イド:かまへん。くれぐれも首突っ込まんでや。もうわしと輩の問題じゃけ………


ベレク:ああ………全て任せる。どのみち諜報部隊に素人では敵わねぇしな。

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