イドと日向7(焦る理由)
イド:ちゃうんや………音無はな…始まりの地に還ったんや………わしを酣に託して………
(イドは溢れる涙を堪えようともしない…)
最後の音無は…見たこともない……哀しい顔じゃった………わしは…その理由が知りたいんじゃ…!
日向:始まりの地に…還った………?始まりの地とは一体……
イド:わしが……音無と出会った、最初の場所じゃ。詳しい場所は覚えちょらんが。
日向:その体調で目的地も覚えてないのに行こうとしてるんですか!?
イド:じっとしとれんが。涙の訳も去らなあかなんだ訳も聞き出すんじゃ…。
日向:ふむ。一つ、よろしいでしょうか?その様子だと…別れたくはなかったけど離れる必要に迫られていた……のでしょうね。
イド:ほらほうじゃろな…
日向:例えば自分が側に居ることで、大事な人に何かしら良くないことが起きていた…とか。(私は以前、音無さんと話をしたので…おおよそ検討はついていますが)
イド:ほな…去る前に言うてくれりゃええが………そげな猶予も無かったんか…?
日向:イド、私達では推察の域を出ないでしょう。なので酣さんの具現化を待ちませんか?体調の良し悪しではなく…剣精の事情は、剣精に聞くのが良いでしょうし。
……状況を鑑みるに、酣さんなら音無さんの真意を汲んでいると思われます。制止こそしないでしょうが、何か知恵を授けてくれると思うのです。
イド:ほうか………ほな日向よ、一人借りるで?酣よ。調子ついたら憑依してくれんか。……音無の事、考えるで。
日向:あの。具現化していないときに話しかけても通じるんですか?
イド:おん。見えんだけで存在しちょるけ、何や問題あらへんで。ただし一方通行じゃけ、わしが酣の声を聞けんだけじゃ。
酣:(別に声に出さずとも、聞こえますよ。私は主様の心を読めますし。意志疎通が図れないのは事実ですがね。)
日向:ふむ。道理で全て把握している訳ですか…
イド:霊媒師でもおりゃ姿見えるんちゃうか?霊体みたいなもんじゃき。
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