無闘の決意、誇りの重み1

リエル:………はぁ、はぁ………っ!来ないで………!


(リエルは侵入者に追われている。いつもならイドに付き添われているのだが、侵入者を排除するために出掛けていた)


…………!い、いたっ……………


(自分の足に躓いて転んでしまった。間が悪いことに行き止まりに追い詰められ、すぐそばに追っ手が迫っている。リエルはすがるような気持ちで、とある呪文を詠唱し始めた……)


全ての悪しき攻撃は反射せよ。我が心、曇りなき鏡のように………!


(詠唱が終わると、追っ手に背を向けると踞った。呪文のお陰であらゆる攻撃が通じないため、戦う必要がないのだ)


イド:……………おーい!リエル、何処だ!?


リエル:イドさん………?


(ちょうどイドが駆け付けた頃、最後の追っ手が反射で倒された所だった)


イド:大丈夫か、リエル!早く、先生の部屋に逃げるぞ!


リエル:あのね、怖い人いっぱい居たよ……行きたくない…


イド:俺が付いてる、それに廊下に居る方が危ないぞ?さ、行こう。


(リエルは軽く頷くと、不安そうな顔のままイドと廊下を進む。彼の強さは、守護天使に恥じない圧倒的なものだが…数が多すぎるのだ)


………!下がってろ、リエル!(ちっ…確かにリエルの言うとおり、手強い連中が揃って居やがる……)


リエル。あの技、"放てる"か?


リエル:……………わかんない。そーへーさんの服、着てないもん……


イド:ダメならいい。だが一応試してくれよ、この人数じゃ庇いきれないかもしれん。


リエル:………うん、分かった。


"無闘の決意…強き想いは誇りとなり、その重みは何者も侵さぬ堅固な盾となる。


全てを拒絶せよ……我が力は鏡のように。悪しき力は無に還れ……"


(詠唱直後、二人を生き写しにしたような幻影が現れた。本体に連動して動き、本体を隠すように立っているので相手は気付かず幻影を攻撃する。


その隙をつくように一人、また一人と侵入者を倒していくイド。)


…………っ。(力が………ぬける……)


(リエルは直前に放った技のせいで、魔力が枯渇してしまい気絶した。


強制的に技が解除され、受けた攻撃が全て侵入者に反射されて無事勝つことができた)


イド:しまった……!早く先生に預けないと………(毎回技を放つ時の消費魔力が違うから、無茶させちまった…)


(医務室に駆け込むと、日向にリエルを預けてそのままギアドックへ向かった)


イド:………見付けたぞ!喰らえ……!


(いつも通り、ギアの駆体に打撃を叩き込んだが…)


痛っ……………!?


(常人と同じ、かすり傷すらつけられなかった。その上、ギアのパンチを受けて吹き飛ばされてしまった)


……うう………


兵士1:イド様!!救護班、イド様を……早く!


兵士2:まさか、あのイド様が……


兵士3:日向様にお伝えしろ!突破される!

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