リエルの暴走4

リエル:この身…朽ちても………か。ん?母さん……?その言い方じゃ…母さんは既に逝ってるような言い方じゃねーか。

………でも最後に思ってたのは母さんとの記憶…。えっ…なんだこれ………?


(今までイドが掌握していた記憶のうち、イドが目覚める直前迄の記憶がフラッシュバックした)


そうか、母さんは……もう。


先生:……結論から言えば、発動条件はクリアしている気がします。何故今になってか…それはまだ分かりませんが。現にあの強力な技…普通の人には出せませんから。


リエル:やはり…そうか。


(深いため息とともに目を閉じた。一筋の涙が頬を伝う)


俺は……もう、人間じゃ無くなったか。結局…負けたのか……。薄々…分かってたさ。認めたくなかったけど…悔しいな………。


先生:一人で悲観しないでください。そもそも人間じゃ無くなったなら会話や思考なんかできませんよ。

技に関しても…封じる術はありますし…あなたは一人じゃありません。


本当にあなたが完全なバケモノになったら…責任を持って私が手を下します。事情を知らない他人に触れられたくありませんから。


リエル:……ありがとう…


(そのまま眠ってしまった。表情は穏やかになっている)


先生:………すみません。私こそ…もっと早くに気付くべきでした。

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