リエルの暴走3

(3日が経つが、リエルはまだ目を覚まさない。)


イド:(俺でも掌握できない記憶がある…

所詮第2人格、か…。)


先生:イドは…何か手がかりを知っているのでしょうか。異例づくし…でしたし、微妙なところではありますが。


(さらに4日が経った。)


リエル:ここは……そうだ。彼の部屋か……


先生:目が覚めましたか?


リエル:……ああ。


(虚な目をしている…。相変わらず希死感は拭えないようだ)


先生:何から聞きましょうか…。まず…その"バケモノの力"を手にいれたのはいつ頃です?


リエル:…………2年前…だな。


先生:良ければもう少し…経緯を聞かせてもらえますか?

(イドから一度さわりは聞いてますが、やはり本人の言葉で聞きたいですね。)


リエル:あの日は…総統府の地下に連れ込まれて…眠らされたり…注射を打たれたりしたな…。後は…誰の声か知らないが…


"力が欲しいか?


いつまで負け犬のようにやられるのだ?


目覚めよ、全てを食らいつくせ……"


呪詛のような言葉が永遠と頭に響いた…

でも俺は…ずっと拒絶し続けた。


発動条件は…【相手を殺したいと強く意識すること】


それは…周りの連中と大差ない考えだった。己の欲望のために殺し合い…我さえ良ければいい…少なくともそれだけは嫌だったんだ…


先生:なんと…発動条件が存在したんですか。(やはりイドの掌握は不完全、だったんですね。いや…まだあの時点で全て明らかになってなかったと言うことでしょうか?)


リエル:僕はずっと昔から…父と兄のせいで、バケモノの子扱いをされてきた。僕はただそのバケモノに…虐待を食らってただけだった…!

でも周りはそんな事知ったこっちゃない。バケモノの子。異論は通じなかった…


だから…だからこそ。バケモノの力なんて…絶対使うもんか。そう思ってた…

どれだけボコられても…やり返せなかった。万が一その条件を満たしてしまえば…

"ああ、やっぱりバケモノの子か"

奴等の決めつけが事実になるから。


先生:なるほど。ずっと…耐えてきたんですね。今回のように暴走したのは…初めて、でしょうね。


(リエルは無言で頷く)


リエル:今になって…呪詛が支配して……

あり得ないような力と…技が…


俺は……一線を…越えたんだろうか…?


先生から見て俺は…どうだった?

変なこと…言わなかったか?

呪詛に支配されて…覚えちゃいねえんだ。


先生:ええと…聞く限りでは、


この身朽ちても許すまじ…


待ってろよ、母さん…すぐ……そっちにいくから…


ですかね。希死感の方はともかく…

この身朽ちても…の方は気になります。

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