リエルの暴走1

(覚束ない足取りでリエルは一人でどこかにいってしまった)


先生:あ……あれ?リエル…?(こんな夜中に、一体何処へ……)


(リエルがたどり着いたのはシミュレーションルームのようだ。)


先生:リエル…こんな時間に何を…?

(いつもと雰囲気が違いますね…何より瞳が……。イド、あなたが居ないなんて…)


(リエルは先生の存在には気付いていないようだ。傍らに落ちていた剣を手に取ると

次の瞬間、イドと遜色ない動きを見せる。剣からはビーム状の指弾が飛び、時折地面に手をつくと槍のようなエーテルが放たれる。)


先生:り…リエル?いけません!それ以上は身体が持ちませんよ!(出力が、イドとは桁違いになっている…!)


イド:(止すんだ…リエル……っ!この俺が…お前に負けるなんて…)


リエル:はあ……はあ……っ…。

もっと…もっとだ…!この身朽ちても…許すまじ……


先生:まさか……あのリエルが、"暴走"?

(そもそもイドが抑えられないなんて…とにかく落ち着かせないと。)


リエル:待ってろよ…母さん。すぐ……そっちにいく。


(血を吐いた。身体に負担がかかっているのは承知のようだ。)


先生:自害なんて…させません!


(腰の剣を抜き放つとそのままリエルに飛びかかる。)


リエル:くっ…!邪魔……するな!


(地面に手をつき、槍を放つ。ギアすら貫く威力を惜しみなく放つ様は、躊躇いを一切感じさせない)


先生:うぉ…っと…!(あれは普通に当たると危険ですね…坑エーテル石で防げるのはビームの方ですか…)


イド:(俺が…押さえようとすると…リエルに力が行く…どうしたらいい…?)


先生:(まともに戦えば徒にリエルの身体に負担が掛かりますね…最低、エーテルだけでも封じないと。)


リエル:食らうがいい!


(剣を振る。さっきより出力の上がったビームが放たれた。


先生は攻撃をエーテル石で無効化し、リエルに飛びかかる。辛くもエーテルガードを取り付けることに成功した。)


リエル:こっ…小賢しい真似を!


(エーテルが封じられたとわかり剣を棄てて逃げ出した。右脇腹と左の背中から血が出ている)


先生:ま、待ちなさい!(エーテルだけではやはり動きは封じられない、ですか…イドより厄介ですね。)


リエル:は……外れねえ……っ!


(機械は苦手なのか悪戦苦闘している)


先生:(見つけました…!外される前に…今度こそ、捕まえないと。)


リエル:(め…目眩がする…畜生…これさえ外れりゃ…逝けるってのに…)


先生:……大人しく、捕まってもらいます!


(睡眠薬を打つ。そのままリエルは堕ちたようだ)

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