イドの暴走7
先生:イドはね。リエルが本当に安心できる場所に連れていくことが出来たら…
リエルの為に……自分は消滅したい、と…そう言い残してたんです。
ビリー:そんな…自ら消えたいなんて…
でも、希死念慮じゃ無いんですよね?
先生:違うと思いますよ。
リエルを守護するために生まれたイドですが、自分のせいでかえってリエルの身体に負担を強いている。
それはイドの望むことではない。
イドが望むのはリエルの生命維持だけですし…ほんと、彼らしいと言いますか。
ビリー:先生は、どう思うんですか?本人が決めたから…従うんですか?
理屈では分かります。現に力を悪用され瀕死の重体に陥ってしまった。
でも…それはイドさんが悪い訳じゃないのに…
先生:私はイドの意思を尊重します。その為に如何なる助力もするつもりです。
それに……イドをソラリスに招いたのは他ならぬ私ですから。戦闘部隊には所属しない条件で。ですが現状、真逆の状況ですから…
私にも責任の一端はあります。
ビリー:でも…そもそもイドさんが居なくなったらリエルさんは大丈夫なんですか?突然1人になって…その、寂しくなるのでは…?
先生:そもそもリエルは…イドの存在を知りません。イドが記憶を掌握しているので、このまま消えたところで寂しいという感情は沸かないでしょう。
ただし…イドの消滅に伴い封印された過去のトラウマが引き出される可能性はあります。
ビリー:じゃあ…イドさんが居なくなったら…?リエルさんは…
先生:我々がそのトラウマの引き金となる記憶を封印しなければ…今度こそ、リエルの精神が崩壊するかもしれませんねぇ。
イドは元々、その記憶を一手に引き受ける役割も担っていました。強すぎるエーテルパワーは副作用のようなものです。
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