イドの暴走3

イド:ぐぅ…っ……!


(険しい表情で唸っている。古傷が痛むようだ。)


先生:おや、古傷が……?昨日までなんともなかった筈なんですが…


(少しずつ、彼の髪の色が変わっていく…赤黒い、まるで酸化した血のような濁った色に…)


先生:!……イド?


(何かを手にした。彼のIDカードのようだ。)


これは……システム…イド?(私が設定した名前ではない…)


(直後、ずっと意識不明だったイドが起き上がった)


イド:う…?俺は…………?

(全てを……コワセ…)


どうしたんだ、先……生…?


先生:ダメですよ、寝てないと…古傷が開いてます…


(無理に動こうとする彼の肩に手をかける)


イド:…すまない…少し…(暴れろ…破……壊…)外の空気が…吸いたくて…


(何だ?この妙な感覚は…

俺が主導権を握っている筈なのに

得体の知れない"何か"が…いる…

先生から離れた方が…良いかもしれない…)


先生:そ、そうですか…(精神感応は一方通行ですが成功しました、確実にイドの中に異変が起きている事は理解できましたし、とりあえず従いましょう…)

1人では心配なので私もお供しますよ。


(ふらふらとイドは何かに導かれるかのように人混みに進んでいく。しかし、時々思い出したように頭を振り、自制するような様子で人気のないバトリング闘技場にたどり着いた。)


先生:(そういえば、ビリーを呼んでおかないと。死霊を消せるのはエトーンである彼だけですし…)

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