イドの暴走2

ビリー:先生、ケルバーソル下さい。エトーンの1人が毒にかかっちゃって…


先生:おや、ビリー。ご苦労様です。


ビリー:ありがとうございます。あれ、イドさん…?まさかまだ目覚めてないんですか?


先生:……ええ。不審な注射痕と、数日前に出掛けた事実以外、手がかりがないまま今に至ります。


ビリー:あの。1つだけ……いいですか?

ずっと気のせいだと思ってたんですけど…

イドさんを運んだ日、ほんの僅かに…死霊の臭いがしたんです。しかも…今も微かに…


先生:な…何ですって?それを聞いて合点がいきました。おそらくイドは…身体に死霊を入れられたのかもしれません。

(記憶の乱れ、能力低下に昏睡状態…そしてあの日、ソイレントシステムに行っている…)


ビリー:そ、そんな事って…一体、何の…為に……?


先生:兵器化…ですよ。イドは高い戦闘能力を持っていますが、身体への負担が大きいゆえに戦闘を嫌っています。

その為、自分に命に関わる危害を加えてくる者にのみその力を発揮しています。

それ故にソラリスに来るときも、戦闘部隊には所属しない条件で入りました。


そのイドに無理矢理戦わせるために死霊を入れたのでしょう…。理性も吹き飛び、無差別に命を奪う最強の殺戮兵器にするために。


ビリー:じゃあ、イドさんはどうなるんですか!?このまま目が覚めないのか、それとも………死霊化して…?そんな…酷いことが……


先生:………しかし…目覚めると厄介ですねぇ…何せイドは…ギア相手に素手でやりあうような人ですからね…

理性が飛んだ状態なら正直、勝ち目は無いですし…


ビリー:…見捨てろ、と仰るのですか?

僕はエトーンです。イドさんを…救いたいんです。何か方法は…無いんですか?


先生:少し…方法を探してみます。私もイドを見捨てるつもりはありませんから。少しでも可能性があるのなら、それに懸けます。

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