イドの暴走1

イド:…どうしたんだ先生、改めて話があるって。


先生:自覚は無し、ですか…。きちんと眠れていますか?昨日側で見てましたけど…どうも熟睡できてなさそうだったもので。


イド:…………?そういえば昨日誰か側に居たのは知ってるが…気配察知が鈍ってたのか誰なのか判らなかったっけ。

そうか…あれ、先生だったのか。


先生:あなたが気配察知の効かないままで放置するとは…相当重症じゃないですか…いつからです?


イド:…ん………?一昨日位か。

ソイレント行った後くらい……だと思うが…(何も思い出せない、こんな事って………)


先生:位…ですか?あなたが記憶に不明瞭なところ、初めて見ましたよ…?あの、ちなみにソイレントでは何を?詳しく話なさい。


イド:…え……あ?…お…思い出せねえ…っ!くっ…………


(頭を抱えて踞るイド。その表情は苦悶に満ちている)


先生:ちょっ…イド!?大丈夫ですか?し…しっかりしてください!


(イドは泡を吹いて倒れてしまった。)


先生:………一体、何が…?

あ、ちょうど良かった。ビリー、運ぶのを手伝ってください。


(2日経ったが、未だに意識が戻らない。イドだけではなく、主人格のリエルが目覚める事も難しいようだ)


先生:ん?これは……。


(検査の為にイドの服を脱がせたとき、不自然な胸元の注射痕に気が付いた)


いや、そんな…まさか。この仮定が正しいとすればイドはもう……!

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