先生の目的6-1

ビリー:先生…じゃあ、一連のイドさんの動きって……?


リコ:そうだ、薬もそうだってのか?二人はそのせいで気絶してるんだぞ!


先生:…そうです。全て私の指示です。

今回あなた方をここに導いたのは、そもそもその薬を投与するためでした。彼には守護天使としてではなく、私の片腕として動いてもらったんです。

ちなみに彼女たちはじきに目覚めるでしょう。悪い薬ではありませんから。


バルト:嘘だろ………。どう考えたって、アイツの言動は………


ビリー:確かに…攻撃や通報こそしなかったものの、とても味方のそれでは無かったような。


リコ:性格の悪さは伝わったが。


先生:(散々な言われようじゃないですか、イド…。)


は………はい?それ、どういう意味ですか?戦わないで欲しい、とは言いましたし拿捕していただいて結構です、とも言いましたが…


ビリー:連行してやるとか実験がどうとか…良いデータを取らせて貰うぞとか言われましたよ…。


リコ:拘束された後は引き摺って移動されたぞ。全体的に手荒だったからな。


先生:(照れ隠しなのか、はたまた素なのか…徹底的に悪に振り切ったんですか。ある意味彼らしい………)


…すみませんね。もう少し穏健に案内するよう言うべきでしたね…


バルト:で、あの薬は何だってんだ?打たれて調子が悪くなるような薬なんか………


リコ:確かに。頭が痛くなったしマリア達は気絶ときたもんだ。


先生:…あれは………刻印(リミッター)を解除する薬です。

刻印とは、ヒトの本来持ち得る力を抑える為、遺伝子に施された制御装置のようなものです。これを解かない限り、戦える相手ではありませんからね……

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