もし君が消えたなら1

リエル:……そろそろ、寝ないと。(でも……眠く…ない………)あ、先生…おやすみなさい。


先生:お休みなさい、リエル。やや遅いのではありませんか?


リエル:……うん、遅くなっちゃった。


(そのまま部屋に戻るが、寝床に座ってボーッとしている。

数十分後…リエルは耐えきれず医務室にいた)


リエル:あのね、どうしても眠れないの…


先生:ふむ、困りましたね…目を閉じて横になるだけでも良いですが、睡眠導入剤を出しましょうか?


(少し悩んでいたが、おもむろに服の裾を掴んだ)


リエル:……あのね…添い寝して?寂しいの。


先生:へ?め、珍しいですねぇ…別に構いませんが…


(先生の懐にしがみつくとそのまま寝てしまう。もう3日は眠れなかったようだ)


先生:(もう3日…ですか。イドが消えてから…あなたの記憶は無くても、あなたという存在が消えてから、目に見えてリエルは寂しがっています。

本当に……これで良かったのですか?これがあなたの望んだ…結末、なのですか?)


リエル:(どうして?…大切な誰かが、居なくなったような、空っぽの虚しさ…僕に大切な人なんて……居ないのに。痛みの理由は……何?)


先生:泣いてるんですか…リエル…?


(寝ながら泣いているリエルの頭をそっと撫でる)


無理もないですね…守護者たるイドが……自ら消滅したんですから…。


リエル:(君は誰?君も…僕を置いていくの?行かないで……僕を独りに……しないでよ!もう……独りには…戻れ…ないよ…)


先生:……!(これは…リエルの思い…?

やはり今まで…この力を拒絶してたんですね…)


リエル:……………う。……朝………?


(何だったんだろ………今の…?

すごく暖かい……懐かしい……人……?

なのに、僕に…そっくりだった…)


先生:おはようございます。目が覚めましたか?


リエル:あのね、おはよう…添い寝、ありがと。


先生:よく眠れましたか?多少顔色は良くなってますけど…(表情は相変わらず硬いですが。)


リエル:…うん。お邪魔しました。

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